海辺のシーンではキラキラ光る水面がとても綺麗です。
穏やかに寄せては返す波がネガティブな感情とポジティブな感情をイメージしているかのよう。
進んだり戻ったりする姿は、日常を象徴しているようにも受け取れませんか。
前を向いて歩いている最中ではわからないかもしれませんが、様々な景色との出会いや別れを繰り返します。
いくつもの思いを抱えながらも人は進んでいくのですが、変わらないように見えても確かに変化している。
そのことに気付くにはだいぶ後になってからなのかも知れません。
どこまでも広がる海は、ちっぽけな悩みなんて水に流してしまえと応援されているような気持になれそうです。
歩き続ける映像から伝わる想い
幅広い世代に聴いてほしいと大野が願う、この歌に込められたメッセージはどのようなことなのでしょうか。
誰もがドラマチックな毎日を送るわけではありません。
同じような日々を繰り返しながら、他人と比べて落ち込み、望んだ未来が手に入らないかもしれないという不安。
このままでいいのかと道を見失ったり、立ち止まったりすることもあるでしょう。
でも、そんな悩みを抱えている人は自分ひとりだけじゃありません。
それでも未来を信じて進むしかなくて、考えてもしょうがないから笑顔で歩き続けよう。
そんなふうに、強く背中を押すわけではなく、さりげなく励まされるような優しさが感じられます。
散歩する道で見えた景色とは
移り変わる風景に重ねた人生
この道の先に何が待っているのかなんて誰も知らない
答えを追い求め 今を彷徨い歩いてく
誰もがみんな悩んでまた立ち上がっての繰り返しだから
つらい時こそ笑顔でいようよ
出典: この道の先に/作詞:大野雄大 作曲:大野雄大・TAKAROT
ゆっくりと歩きながら、穏やかにどこまでも続く散歩道。
未来のことはわからないけれど、その答えが良いものであるように諦めずに歩いて行こう。
そんな前向きな気持ちを歌っています。
何度も繰り返すポジティブなフレーズは、自分自身を励ましているのかもしれません。
未来を信じることをあきらめない
大野雄大は自分のことをあまり先のことを考えない性格だと表現しています。
そんな彼が見ている景色は、めまぐるしく変化を続けているのでしょう。
そんな生活だからこそ、繰り返しの日々のように思える世界でも見える景色は昨日とは違う。
理想と現実を行ったり来たりしながらも希望を忘れないように。
未来は今よりもっと眩しい景色を見ているように進んでいこう。
そんなことを望んでいるのではないでしょうか。
たどり着いた先には何があるのか
大きな世界が待っているという予感
MVの中では、歩き続けてたどり着いたのは夕陽を反射して眩しく輝く海辺の光景。
波打ち際を歩く彼と、広がる海が映り込む映像が綺麗です。
始まりも海辺でしたが、たどり着いた場所も海。でも決して同じ場所ではありません。
すべてを包み込んでくれそうな雄大な海を背景にすると、深刻に思える悩みも些細なことのようです。
平坦な道でも歩き続けることで視野が広り、大きな世界がその先に待っているという予感がします。
胸に響くポジティブな余韻
なんか今日は うまくいかないことばかり
日頃の行いが悪いからって 自分を慰める
出典: この道の先に/作詞:大野雄大 作曲:大野雄大・TAKAROT
曲のラストでは再び冒頭のフレーズを繰り返しているのですが、なんだか振り出しに戻ったような感覚に。
そのことが繰り返す日常を連想してしまい、不安な気持ちも生まれそうです。
それでも不思議なことに、最初に聞いたフレーズとは意味合いが違って聞こえるような気がするのはなぜでしょうか。
力強くもある爽やかな彼の歌声は、希望を感じられる明るさを含んでいるように感じとれます。
夕陽が水面をキラキラと照らす映像がとても綺麗で穏やかな印象。
このMVからは、同じような光景に見えても確実に前に進んでいくという、自信をつけた雰囲気も感じられます。
今はまだ歩いている途中だから、これからも色々とあるだろう。
けれど、きっと良い方向へ進んでいくんだという未来への期待がうかがえます。