槙原敬之「遠く遠く」
アルバム「君は僕の宝物」に収録
この楽曲は1992年6月25日にリリースされた3枚目のアルバムである「君は僕の宝物」の9曲目に収録されました。
槙原敬之の代表作とも言える「もう恋なんてしない」が収録され、オリコンチャートでは週間2位、1992年度年間10位を記録し、何かと話題の1枚となりました。
初回生産分は紙ケース入りの特殊パッケージ仕様での生産となり、特典としてポストカードサイズのカレンダーが付属しました。
また1998年11月26日には初回生産限定で再リリースもされ、再び話題になりました。
2度のセルフカヴァー
そして、この楽曲はシングルとしては発売されないまま、それでも2回のセルフカヴァーが行なわれました。
- 遠く遠く(桜ヴァージョン)
1回目は2001年4月25日にリリースされた23枚目のシングル「桃」への収録です。
「桜ヴァージョン」としてリミックスされ、初回限定プレス盤にボーナストラックとして収録されました。
- 遠く遠く '06ヴァージョン
2回目は2006年2月22日にリリースされた14枚目のアルバム「LIFE IN DOWNTOWN」への収録です。
「'06ヴァージョン」として初回限定盤にのみ収録されました。
さらにこのヴァージョンは、2010年1月1日にリリースされたベストアルバム「Noriyuki Makihara 20th Anniversary Best LIFE」にも収録されました。
NTT東日本のCMソング
なぜシングル化されなかったのか...?!
私小説的...?!
2度もセルフカヴァーが行なわれたり、アルバム曲にも関わらずCMソングにまで起用されている「遠く遠く」ですが、なぜこれほどまでに人気なのにシングル化がされていないのでしょうか。
それはこの楽曲が私小説的であるため、と槙原敬之は語っています。
槇原が故郷に住む友人を思い書いたもので、制作中は「私小説的なものであまり伝わらないかもしれない」と思っていた
出典: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E3%81%8F%E9%81%A0%E3%81%8F
シンガーソングライターは多くの人の心に響き、届く言葉を音楽で伝えていく職業なので、私小説的だったり、パーソナルな歌は好まれません。
どこかのフレーズに共感できる余白を作ることで、リスナーを楽曲の世界に引き込むものです。
そう考えると友人に向けて書いた「遠く遠く」は槙原敬之にとってはシングルにするまでには至らず、アルバム収録曲のうちの1つという位置付けになったのだと考えられます。
実際には大人気ソングに!
しかし、実際には槙原敬之の考えとは違い、世間からはとても高い評価を得ることになりました。
実際に様々な著名アーティストがカヴァーをしたことが、それを証明しています。
代表的なものだけでも
- 伴都美子「VOICE 2〜cover lovers rock〜」(2008年3月5日リリース)に収録
- 桑田佳祐が2013年に「昭和八十八年度! 第二回ひとり紅白歌合戦」においてカヴァー
- Ms.OOJA「ANSWER」(2013年5月22日リリース)に収録
- 赤い公園「絶対的な関係/きっかけ/遠く遠く」(2014年3月12日リリース)に収録
- May J.「Heartful Song Covers」(2014年3月26日リリース)に収録
- ダイスケ「tsumugu」(2014年3月26日リリース)に収録
- 175R「GET UP YOUTH!」(2017年4月5日リリース)に収録
と、2回のセルフカヴァーに留まらず、数多くのアーティストにカヴァーされました。
それだけこの楽曲が多くの人に愛されていることが分かります。