絵本を読み聞かせる
主人公が幼い少女に絵本を読み聞かせる場面から始まります。
MVでは綿飴のようなフワフワとした雲の上に座っていて、素敵な描写ですね。
とても不思議なもので、読み聞かせをしているといつの間にか寝付いてしまいます。
フィクションの世界というのは一瞬現実から切り離してくれますね。
この「想像力を働かせる」という状態が、睡眠へと導いてくれるのかもしれません。
逆に現実に目を向け思い悩むほど、目が冴えて眠れなくなってしまうのだと思います。
そして、穏やかに眠る少女の手元には羊のぬいぐるみが…。
この少女のお友達なのかもしれませんね。
心温まります。
夜空を走る銀河鉄道
宇宙空間を走る架空の鉄道を「銀河鉄道」と呼び、アニメの題材にもなっていますね。
この楽曲でも「銀河鉄道」が登場します。
MVでもキラキラと星の輝く夜空を走る汽車が描かれていて素敵。
その汽車の中には、先ほど読み聞かせをしていた主人公の姿が。
たくさんの手紙を眺めながら時間が過ぎている様子です。
歌詞から、どんな状況なのか読み解いてみましょう。
銀河鉄道に揺られ 旅する二人の
終着点はきっと あの日の願い星
窓から覗く度 遠ざかる街と
少しの後悔達にも
『さよなら』を告げて手を振るから
行こうか
出典: ほしのこもりうた/作詞:天月-あまつき- 作曲:天月-あまつき-
よく見ると、主人公の瞳には2人の人影が映し出されています。
主人公はとある2人の人物が未来へ進む様を見ているのかもしれません。
何か「願い」を叶えるために、鉄道に乗って旅をしているようです。
それは2人で歩む人生を比喩しているかのよう。
未来へと進むためには、過去に決別をする必要も出てきます。
現状にすがっていては前進できないのです。
変化を恐れていては変われないでしょう。
だからこそ、楽曲の後半では「別れ」を惜しんでいるのかもしれません。
また、「星の王子さま」では「別れてから知る相手の大切さ」が描かれています。
最後には物語で登場する「王子さま」が地球を離れる「別れ」の場面もありました。
節々に「星の王子さま」に通ずる表現がありますね。
優しいメッセージの込められたサビ
もしも僕らの聲がいま届くなら
星屑の海でおやすみ
夢は続きますように
夜が明けるまで 紡ぐよ優しい歌
夜空に溶けてく 光のように
その胸の奥で響いてほしい
出典: ほしのこもりうた/作詞:天月-あまつき- 作曲:天月-あまつき-
この「ほしのこもりうた」は、すやすやと眠る子供を包み込むような子守歌。
一晩中素敵な夢が続くよう、優しいメロディを奏で続けます。
ただ寝かしつけるだけでなく子供をずっと見守り続ける…。
そんな「親の愛」が込められた楽曲なのですね。
MVの登場人物に関する展開
汽車に乗っている人物の正体
2番になると、2人の登場人物の姿が映し出されます。
若い男女が幸せそうに汽車の窓から宇宙を眺めていますね。
そしてその後、今度は少年の姿が…。
ちょっと見覚えがある気がしませんか?
そう、最初に登場した少女とたった今登場した少年。
汽車に乗っている男女と似ているのです。
「星の王子さま」は「子供の心を失ってしまった大人」へ向けたメッセージも込められているのでしたね。
だからこそ、子供の姿と大人の姿の対比がされているのかもしれません。
そんな2人を見届けている主人公は、いったいどんな人物なのでしょうか?
たくさんの手紙
美しい夜空を背景に、主人公が持つ箱に次々と手紙が落ちてくる映像が映し出されます。
そして、主人公はどの手紙も神妙な面持ちで読んでいますね。
推測ですが、この手紙にはこの男女の「気持ち」が綴られているのではないでしょうか?
心の中にしまい込まれた「気持ち」を一つ一つ読み上げているのかもしれません。
過去の経験は、どうしても記憶の奥底に追いやられてしまうもの。
新しい記憶ほど鮮明に映ってしまいます。
また、素直に口に出せずにしまい込まれた「感情」もたくさんあるはず。
子供のころは素直に口に出せたことも、気が付けばしまい込むようになってしまうのではないでしょうか。
それを解放してあげることが、この楽曲の願いなのかもしれません。