いつも一緒にいるパートナーの様子がおかしいことを、彼はちゃんと知っています。

きっと、泣き笑いのような不思議な表情になっているんじゃないでしょうか。

本当の気持ちとは別の表情をしようとすると、人間は「変」と評されるような不思議な表情になります。

いつもとは違う彼女の様子を気づかっている彼。

いつも一緒にいるからこそ、他人では分からないような彼女の気持ちの変化を感じ取ることができているのです。

彼は彼女にどんな行動を起こすのでしょうか。

言葉にできないや

必要としてるのさ
君を愛してるよ
笑い声に我を忘れ 思い出して
言葉できないや

出典: ダンサーインザルーム/作詞:吉田崇展 作曲:吉田崇展

彼が取った行動は彼女に寄り添うこと。

完全に理解はできないけれど、そばにいることはできます。

どれだけ彼女を大事に想っているか…

そして、一緒に過ごした楽しい時をどれだけ大切にしているか…

一生懸命にそれを伝えようとする彼。

でも、伝えたいことが多すぎて、上手く表現できません。

元々、話すのが得意な人物ではないのかもしれませんね。

それにしても、ストレートに愛の言葉を言っています。

しかし、ありふれた印象はなく、とても暖かく感じるのは何故なんでしょうか。

ひとつじゃなくてふたつだからできることがある

ダンスを踊ろうよ

ふたりだけのダンスを少し空いた時間に踊ろう
ダサい振り付つだね と笑って僕をみていてよ

出典: ダンサーインザルーム/作詞:吉田崇展 作曲:吉田崇展

彼女のために何かしたい彼は「ダンスをしよう」と誘います。

それも今すぐではなく、彼女の気持ちが落ち着いた時に。

落ち込んでいるのか悲しんでいるのか…彼女はまだとてもダンスをする気分ではなさそうだから。

そっとしておく時間も必要だと彼はちゃんと理解しています。

彼女がほんの少しでも楽しい気持ちになれるなら…とピエロのようにおどける彼。

少しくらい八つ当たりしたっていいんだよ。

そんな優しい気持ちもこの歌詞からは感じますね。

僕は笑っていられるのさ

君が 悲しい 時にも
僕は笑ってられるのさ
やらしい夢をみたり

出典: ダンサーインザルーム/作詞:吉田崇展 作曲:吉田崇展

相手が悲しい時に一緒に泣くことが優しさ。

そう思う人もいるでしょう。

確かにそれも優しさです。

でも、落ち込んだ状態からいつもの生活に返る場所。

それを用意してあげるというのも、また、優しさではないでしょうか。

この歌詞の主人公は一緒に泣かず、あえて普通に振る舞っています。

最後のフレーズは正直すぎでは?と思わないこともないですが(笑)

冒頭の歌詞で言ってたように同一人物ではないので、完全に同じ気持ちにはなれない…

でも、だからこそいつも通りに振る舞うことができる。

そうポジティブにとらえているのです。

できることが少ない

雨が止まない時には
できることが少ないのさ
話 途切れがちで

出典: ダンサーインザルーム/作詞:吉田崇展 作曲:吉田崇展

「雨」は彼女が悲しい気持ちになっている状態を例えています。

励ましもなぐさめも役に立たないほどの落ち込み方なのかもしれません。

ここの部分は自分に対して言っているようにも感じました。

彼女に対して力になれないことを残念に思う気持ちもあるのです。

でも、仕方のないことだと自分を納得させています。

不器用で話すことも上手くない自分では力になれることも少ない。

彼女が何を聞いても耳に入ってこない状態ならなおさらです。

そばにいてあげたい

こっそり泣いていた彼女へ