「Σ」について

発表は2000年!

初めて「Σ」が発表されたのは2000年。

大ヒット曲「ギブス」のシングルにカップリング曲として収録されました。

え?もうそんなに経つの?!」と驚く方も多いかもしれません。

しかし本楽曲はそんな年月を感じさせない、未だに新鮮な楽曲です。

というより、椎名林檎の曲はどれを聞いても全く古さを感じさせないのが不思議なところですね。

2008年に発売された「私と放電」はカップリング曲を集めたアルバムです。

もちろん本楽曲も収録されていますし、名曲ぞろいアルバムです。

椎名林檎初のオリジナル英語詞

椎名林檎は英語歌詞もバリバリ歌っています。

「君の瞳に恋してる」や「アンコンディショナル・ラブ」などのカバー曲。

「浴室」や「丸の内サディスティック」の英語セルフカバー

どれをとってもカッコイイですね。

「ギブス」と同時発売の「罪と罰」に収録された「17」と本楽曲「Σ」は初の英語曲でした。

当時高校生だったとは思えないウィットの効いた歌詞を見ていきましょう。

Aメロその1 束縛男

束縛男の臭いがプンプン……

you say i betray you
that i'm always changing
when all i really do
is not stay true to your
illusions

出典: Σ/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

私が現実にやることが

何もかもあなたの幻想に沿っていないとき

あなたは私が裏切ったと言う

私がいつも変わってしまうんだと

どうやら主人公の彼氏は重度の束縛男のようです。

相手が自分の理想通りに動かないと怒る人、いますね。

相手にやたらシビアで一貫性を求めるのも、相手をウンザリさせるタイプです。

人の考えなんていつでも変わるし、言うことも変わります。

それをいちいち責められていたら、確かに息苦しいかもしれません。

ちなみに「i really do」というフレーズに聞き覚えのある人は多いのではないでしょうか。

無罪モラトリアム収録の「積み木遊び」にもこのフレーズが繰り返し出てきます。

当時の椎名林檎が気に入っていたフレーズだったのかもしれません。

ラップ調の激しいメロ

イントロからAメロにかけて、スリリングなシンセフレーズとスラッシーなギターが目立ちます。

ボーカルも非常に激しいラップ調で攻撃的なフレーズです。

「束縛彼氏にもう我慢の限界」

そんな心の声が聞こえてくるようなパートです。

Aメロその2 電話を通して聞こえてくるのは?

こんな電話めんどくさそう……

you phone & talk marriage
cover up the mouthpiece
cursing at your mother
grumbling 'bout your dinner

出典: Σ/作詞:椎名林檎 作曲:椎名林檎

あなたが電話をしてきて結婚の話をするわね

通話口を覆っていても

ママに悪口を言ったり

夕食の愚痴を言ったりするのが聞こえてくるわ

通話口を覆う時点でだいぶウンザリしている様子が分かりますね。

どうやら男は自分の結婚観について話しているようです。

「ウチの母親はこういうところがダメだから……。」

「ウチの母親は料理がヘタクソで……。」

マザコンではないようですが、母親に対して不満を持っているようです。

それを相手に投影して、「ウチの母親を反面教師にしてくれ」と言っているわけですね。

受話器を放り投げてウンザリしている女性の姿が浮かびます。