Ray of Water

祭典

2019年10月、「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」が催されました。

祭典は二部構成で、様々な催しが行われています。

その第2部「祝賀式典」の終盤に「奉祝曲 組曲『Ray of Water』が披露されました。

が歌った「Journey to Harmony」はその組曲の第三楽章にあたります。

ちなみに第一楽章は「海神」、第二楽章は「虹の子ども」。

歌唱が入るのは第3楽章のみ

なので「Journey to Harmony」は楽章のタイトルになります。

なおこの祭典は国事ではなく、国民が令和天皇の即位を祝うお祭りです。

陛下は皇居内の二重橋からご覧になられ、お言葉を述べられています。

奉祝曲

Ray of Water」はこの祭典で陛下に献納するために特別に書き下ろされました。

作曲はJ-POPアニメドラマの音楽など幅広い活動をする菅野よう子

アニメ「カウボーイビバップ」の劇中音楽などアニメ音楽で特に有名です。

つながりで言えば櫻井翔主演映画ハチミツとクローバー」の劇中音楽も手掛けています。

作詞はドラマ映画のシナリオなどで知られる脚本家の岡田惠和です。

NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の作者としても有名な方。

つながりで言えば松本潤主演のTVドラマバンビーノ!」の脚本も手掛けています。

そして嵐は国民の代表として第三楽章の歌唱という大役を担ったのです。

嵐の堂々とした姿に感動した方も多かったことと思います。

Journey to Harmony

嵐の歌声や立ち振舞だけではなく、歌詞に感動した方も多かったでしょう。

曲のテーマは陛下の長年の研究テーマである「」。

歌詞には陛下の詠まれた和歌や講演でのお言葉も織り込まれているそうです。

曲全体のタイトル「Ray of Water」は水の光線

元号の令和と音の響きが似ているのでそれもかけているのかも知れません。

本来水は発光しませんので「Ray of Water」という熟語はありません。

しかし水は地球を覆い、生命を生み出し、大地を潤すことで生命を育ててきました。

そうした水の持つ力を太陽の光「Ray of Sun」と掛けているのでしょう。

調和

そして嵐が歌った第三楽章のタイトルが「Journey to Harmony」です。

曲のクライマックスであり、この曲全体に込められた思いが詰まった部分です。

さてこの三楽章のタイトルを直訳すれば「調和への旅」。

しかし歌曲であることからハーモニーには音楽用語の和声、和音の意味も含まれているでしょう。

水の光」と「調和への旅」そこに込められたメッセージ。

歌詞を見ながら解説してみたいと思います。

一番の歌詞

きみとぼく

君が 笑えば 世界は 輝く
誰かの 幸せが 今を 照らす
僕らの よろこびよ 君に 届け

出典: Journey to Harmony/作詞:岡田惠和 作曲:菅野よう子

この歌は奉祝曲です。令和天皇が即位したことを祝うために作られました。

そうであるならば陛下を示す言葉となります。

そして僕はしもべとも読め、へりくだった表現です。

ここでは祝う側である国民を指していますから表現もへりくだって複数形になっています。

また即位を祝う祭典での曲ですからとは始まったばかりの令和という時代。

そして照らすという言葉も古語では治めるという意味もあります。

聖歌などでは「あまねく世を照らす」という表現がありますが、それに近いニュアンスだと思います。

小さな水の滴り