歌詞に注目!

2人と1匹のストーリーには
岩井俊二作品ぐらいの彩は無く
開始1年で見るも無残に
気が抜けちゃって
夏の魔法みたいに弾けて消えた

出典: ソーダ/作詞:KENTA KATAOKA 作曲:KENTA KATAOKA

曲の冒頭では、「けむくじゃら」と呼ばれる、おそらくペットが登場しています。恋人とペットと一緒に生活していた日常を起点に、ストーリーが描かれています。

きっと、恋の始まりはみんなキラキラしていて、ドキドキが溢れて、毎日が新鮮だったはずです。なのに一緒に居る時間が長くなるうちに、だんだんそれもなくなって。

まるで、炭酸の「気が抜けてちゃって」いる状態みたいに。

ずっと続くと思ってた熱い恋も、”楽しい”だけで満たされていた2人と1匹の生活も、いつのまにか気の抜けた炭酸のようになってしまっていました。

ソーダ 泣いちゃいそうだ
君を思い出せば
しずくが飛び散りそうだ

ソーダ あの日の思いが
シュワシュワ音を立て
空虚な音で響いたよ

出典: ソーダ/作詞:KENTA KATAOKA 作曲:KENTA KATAOKA

「ソーダ」は、2人の思い出のアイテムだったのかもしれません。

暑い夏の日、2人でコンビニまで買いに行ったソーダ。

「じゃんけんで負けた方が自販機で買ってくること」なんて言ってふざけ合ったこととか。

振られて泡立った炭酸を、気付かずに開けて大惨事になったこととか。

思い出の中にある何気ない「ソーダ」。別れた後にふとそんな場面を思い出して、思わず泣きそうになる。

辛いからと思い出さないようにしていた君のことが、ソーダの思い出と一緒にあれもこれもと沸き出してくる。

思い出せば、振られた炭酸が溢れてくるみたいに、涙がこぼれそうになる。

君がいなくなった部屋に、炭酸の「しゅわしゅわ」「ぱちぱち」という音だけが響いています。

派手な喧嘩もすることもなく
お金や浮気でも揉めず
今になって思い出せば
なんでちゃんとぶつからなかったんだろう
って心痛めつける日もあるが
その痛みすらガスのよう

出典: ソーダ/作詞:KENTA KATAOKA 作曲:KENTA KATAOKA

2人の関係は、順調に進んでいるはずでした。

お金も2人でうまくやりくりして、当然浮気の心配だってしていない。相手のことを信じてるから。

でもその関係の中で、お互いに言わなかったこと、言えなかったこと、見て見ぬふりをしていたこと。きっとたくさんあったはずです。

どこかで”自分が我慢すれば”なんて思って無理やりのみ込んだり、波風立てたくないから、喧嘩したくないからって、いろんなことを見て見ぬふりをしていた。

「お金のことだってうまくいってるし」「浮気とかしないし」「だから、大丈夫」「だから私たち、うまくいってる」

そう、思いこんでいただけだったと、今になって気付くんですね。

「なんでもっといろんなこと話さなかったんだろう」「なんで、ちゃんとぶつからなかったんだろう」。

終わってしまった今だから、それがどれだけ大事なことだったかわかるんです。

そのときをうまくやり過ごすことより、波風を立てないことより。

2人でずっと一緒に居るためにしなきゃいけなかったことは、「ちゃんとぶつかること」だったんだ。

それに気が付けなかった、あるいは気付かないふりをしてしまったという後悔が、心に痛みとして表れます。

見返して
僕は何度思い出して
君を嫌いになって
嫌いになって
嫌いになってってもう
なれるわけもないけど

毛むくじゃら担ぐ僕は
君の家の前にたどり着き
乾いていたのどを潤すように
今、ベルを鳴らした

出典: ソーダ/作詞:KENTA KATAOKA 作曲:KENTA KATAOKA

君のだめなところ、嫌なところ、許せないところ、たくさんあった。だから別れる道を選んだのに。

そういうところを見る度に、「なんで付き合ってんだろ」とか「もう無理かもな」なんて思ってしまう。それが積み重なって、本当に別れる日が来てしまって。

「これで良かったんだよ」って、君の嫌なところばっかりを思い返して。

そうやって、自分に「もう嫌いになったんだ」って言い聞かせてはみるけど、でも、嫌いになんてなれるわけもなくて。

その気持ちに気が付いたから、もう見て見ぬふりなんてしません。

自分の気持ちをちゃんと認めて、もう過去のようにのみ込んだりしない。

「なんでぶつからなかったんだろう」って後悔したから、もう同じ過ちは犯さない。

そうやって「僕」は、君の家の「ベルを鳴らした」。

失恋、そして…。

曲中では、おそらくもう終わってしまった2人の関係について多くが語られています。「もっとこうすればよかった」という後悔がチクりと胸に刺さる歌詞ですよね。

しかし、「ソーダ」はただ終わってしまった恋を歌っているだけではないと思います。

歌詞の最後にあるように、終わったことではなくて、後悔や反省、相手や自分のダメなところをちゃんと受け入れたうえで、「これからのこと」を歌う、とても前向きな歌だと筆者は思います。

相手と真剣にぶつかることってとても勇気のいることだし、相手を傷付けてしまうかも…受け入れてもらえなかったらどうしよう、と怖いことだらけですよね。

でも、相手のことが大事なら。きっと、ぶつかることってすごく大切なことなんだと思います。

コード譜はこちら

     A♭
けむくじゃらが風鈴の音を聞いて
 E♭
気持ちよさそうに眠っている
   D♭
その横で僕もまた寝そべって
 D♭monF♭
乾いた喉鳴らしてる

出典: ソーダ/作詞:KENTA KATAOKA 作曲:KENTA KATAOKA

 A♭
2人と1匹のストーリーには
E♭onG       D♭
岩井俊二作品ぐらいの彩りは無く
     D♭m
開始1年で見るも無残に
 E♭
気が抜けちゃって
Fm  ConE A♭onE♭
夏の魔法みたいに
   B♭onD
弾けて消えた
  D♭
君の残骸は寝そべっている
    E♭
そこのけむくじゃら

出典: ソーダ/作詞:KENTA KATAOKA 作曲:KENTA KATAOKA

A♭      G
ソーダ泣いちゃいそうだ
   Fm
君を思い出せば
E♭m D♭   E♭
しずくが飛び散りそうだ
A♭       C     
ソーダ あの日の思いが
       Fm
シュワシュワ音を立て
E♭m D♭ E♭
空虚な音で響いたよ
D♭
ソーダ
   E
シュワシュワと不健康な音で

出典: ソーダ/作詞:KENTA KATAOKA 作曲:KENTA KATAOKA

アップテンポの楽曲ですが、比較的動きが少ないので練習しやすいかもしれません!

ぜひチェックしてみてくださいね!