【ニビイロ】の世界
ドラマとリンクした切ない歌詞
竹内唯人さんは若者からの絶大な支持を得ているアーティストです。
AbemaTV『オオカミちゃんには騙されない』に出演し一躍話題になりました。
お兄さんが俳優の竹内涼真さんであることに驚かれる方は少なくないでしょう。
【ニビイロ】はテレビ朝日で放送された連続ドラマ『鈍色の箱の中で』の主題歌に抜擢されました。
「いつかドラマの曲を担当したい」と思っていた竹内さんはとても喜んだといいます。
【ニビイロ】は“触れ合っても心はここにない”といった切なく寂しい恋の様子が読み取れる歌詞です。
両想いではないことを分かっていながら、それでも相手を想う様子が描かれています。
完全書下ろしとなった同曲はドラマにピッタリとリンクして聴き入ってしまうでしょう。
MVにも注目
高い声と低い声を上手く使い分けられている切ない歌声と表情が魅力のMV。
一気に【ニビイロ】の世界観に惹きこまれるでしょう。
ニビイロは漢字で書くと鈍色となり、濃い灰色を意味します。
その言葉の通り、MVの前半は色のない世界が描かれているのです。
何を見ても少し色がかすんでしまう、心が置いてきぼりの自分の心境に重なります。
曲の終盤、ある歌詞の部分で世界がパッと明るく色付いていく…。
自分が彩を取り戻すことの出来た理由は何なのか、歌詞を深読みしていきましょう。
置いてきぼりの心
心が色を失った
窓の外はいつも同じ
色ない景色
鍵をかけた箱の中に
閉じ込められているみたい
出典: ニビイロ/作詞:竹内唯人・宏実 作曲:UTA
この歌の主人公は心から色を失ったような様子が読み取れます。
何をしても楽しくない、誰と話しても心が通わないのでしょう。
心から誰かに笑顔を向けることも無くなってしまっているのではないでしょうか。
深く他人事に突っ込まないで過ごしていくことは楽かもしれません。
情に流されることなく淡々と過ごすことは、災いに巻き込まれることもないでしょう。
しかし、上辺だけの関係を続けていくことにもいつか疲れてしまいます。
なぜこんな事をしているのだろうと心にポッカリ穴が開いたような気持ちになるのです。
寂しいのにこの状況から抜け出せないといったような様子が読み取れます。
心が読み取れない
幼気な瞳は
今何を映してるの
距離がゼロになる時も
君には届かなくて
出典: ニビイロ/作詞:竹内唯人・宏実 作曲:UTA
1行目は真っ直ぐで嘘や偽りのない子供のような目を表しています。
子供はいつだって正直で、目に映る全てが輝いて見えるものなのです。
君の瞳はまさに純粋で、霞んでしまった僕の目では君の心を読むことが出来ません。
その目に何を映して何を想うのか、自分とは違い過ぎて想像が出来ないのでしょう。
君とは触れ合える距離まで近付くことが出来ても、君の気持ちが分からないのです。
近くにいるのにどこか孤独で寂しい気持ちを拭えない様子が読み取れます。
届かない想い
君だけが希望
物憂げな世界にたった一人だけ
お願い今は僕だけを見てよ
出典: ニビイロ/作詞:竹内唯人・宏実 作曲:UTA
サビに入るここの歌詞で「僕は君が好き」ということがハッキリと読み取れるでしょう。
物憂げとは憂鬱や気がふさぐようなことを意味しています。
まさに色を持たない僕の心の内を表しているようです。
いまは僕の心の色を取り戻す方法は君が隣に居てくれるほかないと考えています。
君がいてくれれば僕の気分はきっと晴れる、だから君にそばに居て欲しい。
僕の気持ちは少し身勝手になっているように感じられるでしょう。