男性=プロデューサーという視点
もう忘れてしまったんでしょ
剥いだ裸の素材 君が造った女
今じゃ会ったってハヤらない
感傷が誘なうより早い私の気分を喰らい
代用を仕立て上げて さようなら名プロデューサー
出典: 流行/作詞:椎名林檎,坂間大介 作曲:椎名林檎
男性の好みや言葉ひとつで女性は表情から性格まで変えることができる生き物です。そんな男性と女性の関係性を、椎名林檎は「名プロデューサー」という言葉で表現しています。
裸の素材こそが私そのものの個性なのでしょうが、男性の色に染まれば染まるほどその個性は消えて「女」になっていく。この矛盾は、本気で恋したことのある女性なら納得できるところではないでしょうか。
しかし、染まってしまった結果、私の「代用を仕立て上げて」しまえるのです。「さよなら」と軽く別れを告げるところが、まるで廃れたら忘れられていく流行そのもののようですね。
本当は名前を呼んでほしい女ごころ
女の…私に個性は要らない
名前…は一つでいい
これ以上要らない
出典: 流行/作詞:椎名林檎,坂間大介 作曲:椎名林檎
サビ前に歌われるこの歌詞は、まるで「個性は要らない」と言い聞かせているように聞こえます。本当はそんなこと思っていない、自分だけの名前を呼んでほしい。そんな女ごころが垣間見えますね。
「名前…は一つでいい」という歌詞は、公式の歌詞でも「…」が入っています。きっと、この沈黙で女性は自分の名前を思い出すのでしょう。
「女」という名前一つで良いのではなく、自分の名前だけで良い。それを呼んでくれる男性に出会えたら、もう変貌を遂げなくて良いのに…。
そんな隠された願いを、さらけだすことなくひそかににおわせるところが、椎名林檎の歌詞ならではの大人っぽさです。
「流行」で女ごころを深く理解してみては?
「流行」はこれでもかというほど女の心の深淵をえぐりだすような歌詞を楽しむことができます。
女性が聴けば多くのリスナーが深く共感する歌詞だと思いますが、個人的にぜひ男性に聴いていただきたいと思います。
この歌詞を聴けば、何を考えているのかわからない良い女の心の底が垣間見えるかもしれません。
そして、テクニカルな恋を楽しみそうな女性であれ、大人の女性であれ、願いはただ一つということがきっとわかるはずです。
流行のように流されてしまう恋ではなく、いつまでも愛されたい。
そんなメッセージを直接言うことなく伝えてくれる歌が、「流行」です。
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