「君」と「僕」が、戦場を駆け回っていることを暗示しているのかもしれません。

「速さ」は、モビルスーツ(ガンダム)に乗って駆けるスピード?

行動の速さかもしれません。

2行目は、どんどん広がり激しくなっていく戦争の様を指しているように思えます。

戦火が広がるのはすぐですが、それを鎮めるのは難しいものです。

戦闘機やモビルスーツが飛び交う空は、確かに恐ろしいものに違いありません。

ミサイルだって降ってきますからね。

早くこんな戦争なんて終わってほしいのに、まったく終わる気配はない。

そんな時に思うこと。

3行目は「僕」の隠しようのない本心なのでしょう。

しかしそんな戦争も、「君」と一緒なら終わらせられると確信しているようです。

この歌詞だと「君」と「僕」は友達であり、仲間のようにも感じられますね。

君との約束

ちょっと不思議な関係の「君」と「僕」。

自分に似ているだけでなく、一緒に戦争を食い止めるパートナーでもあるようです。

「君」に支えられる「僕」は、どんな行動をとるのでしょうか。

僕たちは、結局戦わずして生きられない

どうしても楽じゃない道を選んでる
砂にまみれた靴を払うこともなく
こんな風にしか生きれない
笑って頷いてくれるだろう 君なら

出典: 君は僕に似ている/作詞:石川千亜紀 作曲:梶浦由記

ガンダムSEEDの世界では、人は必ずしも軍に従事しないといけないわけではありません。

つまり、戦いたくないなら戦わなくても良いのです。

しかし「僕」は、自分の意志で戦う道を選択しました。

戦わないよりも遥かにいばらの道です。

しかし戦うことが、今の戦争を終わらせるために自分ができる方法だと考えているのでしょう。

キラもアスランもシンも、そうやって戦うしかない状態だったと思われます。

戦いでボロボロになった姿を、「砂にまみれた靴」とたとえているのではないでしょうか。

それを繕うこともしません。

汚らしい格好で戦い生きていく人生を、「君」と笑い話にしたいのでしょう。

君を受け止めてみせる

君に僕から約束しよう
いつか僕に向かって走ってくる時は
君の視線を外さずにいよう
きっと誰より上手に受け止めるよ

出典: 君は僕に似ている/作詞:石川千亜紀 作曲:梶浦由記

この2番のサビ、色々な解釈ができそうですね。

「僕に向かって走ってくる」のが、「君」と「僕」が味方かで意味がかなり変わります。

対立しているのであれば、それは敵としてきちんと相手をするということでしょう。

シンに対するキラやアスランのような感覚でしょうか。

味方としてなら、「君」がやってくるのを「僕」が仲間として出迎える感じかもしれません。

「ガンダムSEED DESTINY」ではアスランがキラのもとに向かう展開があります。

その時も、キラはしっかり親友として迎えてくれました。

どちらでも考えられそうですし、他にも捉えようはありそうです。

どれであっても、「君」をきちんと受け止められるのは「僕」しかいません。

君のおかげで

「君」と「僕」はどこか似ていて、「速さ」も似ていて。

一言では言い表せない繋がりがあります。

その繋がりこそ、戦争を終わらせる力になるのでしょう。

君がいるから、僕は僕でいられる

君の姿は僕に似ている
同じ世界を見てる君がいることで
最後に心なくすこともなく
僕を好きでいられる
僕は君に生かされてる

出典: 君は僕に似ている/作詞:石川千亜紀 作曲:梶浦由記

ラストのサビは「君」が「僕」にとって、どれほど大切な存在なのかがよく分かります。

「君」がいることで、「僕」は自分を見失わずに済んでいるのでしょう。

戦争は、人の心を壊すものです。

何も考えず上の命令に従って敵を討つだけでは、ロボットとなんの変わりもありません。

やがて自分が分からなくなってしまいます。

生き物としてではなく、人としての「死」です。

それを止めてくれるのは、人の繋がり。

ようするに「君」がいてくれることなのです。

君」がいてくれるから、「僕」は自分の心が死なずに済むということでしょう。

それが最後の、「生かされてる」という言葉になるように思えます。

人は誰かの心で繋がっている。

それが争いを無くすための大切な要素でもあるのでしょう。

現実世界でも言えることかもしれませんね。

「君」と「僕」とは誰のこと?