都会に染まった主人公の姿や喋り方を目の当たりにした主人公は「似合ってない」と心の中でつぶやきます。
きっと、君のことを全く知らない人が君のことを見たら、似合ってないとは思わないのでしょう。
しかし、主人公は君が大阪にいた頃の様子をよく知っている人間です。
全く気取っていないラフな格好をして、大阪弁を喋る君の姿のほうが、強く印象に残っているのでしょう。
だから、今の君の姿に違和感を感じてしまうのだと思います。
自分の知らない姿になってしまったことにちょっぴり悔しさや寂しさも感じているのでしょう。
だから、似合ってないという"ややキツイ言い方"をしているのかもしれません。
カントリーガールが東京ガールに変身してしまった
東京ガール
ぼくらの町の乱暴で荒っぽい 言葉で話してほしい
少し濃いめのメイクのカントリーガール
出典: 東京ガール/作詞:タダミ 作曲:タダミ
ぼくらの町というのは、主人公や君の故郷のことを指しているのでしょう。
関西弁といっても、京都弁や兵庫弁など、県によって微妙にその特徴は異なります。
大阪弁は関西弁の中でも、やや乱暴で荒っぽい印象のある方言といえるのでしょう。
以前は気取った喋り方ではなく、大阪弁で砕けた喋り方をしていた君。
なのに、今では喋りどころか、メイクもすっかり変わってしまったようです。
都会向きの洗練されたメイクをするようになってしまいました。
上京する前のラフな雰囲気をまとった君の姿は、もうどこにもないのです。
同じ人間のはずなのに、ここまでガラっと姿や喋り方が変わってしまうと、別人に見えてしまうのかもしれませんね。
2番~ラストの歌詞
突然君から連絡をもらった主人公
君にフラれてから 軽トラでたこ焼き屋はじめたよ
急に電話くれたのは ただの気まぐれなのかい
出典: 東京ガール/作詞:タダミ 作曲:タダミ
君が上京する前、主人公は君に告白をしました。
しかし、あっさり振られてしまったようです。
そして、君はあっという間に上京してしまいました。
君が上京した後、主人公は気を取り直して、たこ焼き屋さんをはじめたことをここで説明しています。
主人公の失恋の傷もすっかり癒えて忘れかけた頃、突然君から連絡をもらったのでしょう。
振られたはずなのに、いきなり君から電話がかかってきたことにより、再び意識してしまう主人公。
そして、主人公と電話をした後に君は大阪へ帰ってきました。
思いもしなかった展開に、きっと主人公はドキドキしたことでしょう。
「もしかしたら、今度は告白も成功するのでは…」とちょっぴり期待していたのかもしれません。
なぜ唇に青のりをつけてほしいの?
似合ってる 君には似合ってる
似合ってる たこ焼き似合ってる
似合ってる 君には似合ってる
その唇、青のりの色に染めたい
出典: 東京ガール/作詞:タダミ 作曲:タダミ
1番では「似合ってない」という言葉がたくさん登場しましたが、今度は「似合ってる」のオンパレードですね。
きっと主人公が作ったたこ焼きを君にご馳走してあげたのでしょう。
たこ焼きを美味しそうに食べる君の姿を見て、昔の君を思い出した主人公。
上京する前は2人で一緒にたこ焼きを食べて、唇に青のりをつけてしまうこともよくあったのだと思われます。
そんな思い出があるからこそ、唇に青のりをつけてほしい…と願ってしまうのでしょう。
普通なら、青のりを唇や歯につけたままの女性の姿を見て、魅力的だと感じる人は少ないですからね。
一度は諦めた恋だったけど…
東京ガール
本当は燃える恋に破れたんだろう そうだろう
海に沈めた恋が 再び浮かんできそう
出典: 東京ガール/作詞:タダミ 作曲:タダミ
君と一緒に時間を過ごす中で、主人公は"君が大阪に戻ってきた理由"について察しました。
東京で大恋愛をしたけれど、君が誰かと結ばれることはなく失恋してしまったのです。
失恋の傷が大きかったから故郷である大阪に一旦戻って、気持ちをリフレッシュしているのでしょう。
恋人を失ってしまった今、君はとても寂しい気持ちを抱えています。
なので、君に寄り添ってあげれば主人公にもチャンスは大いにあるのかもしれません。
一度は振られて諦めた恋ですが、主人公は再び君にアタックするべきなのか迷っています。
なぜ君は標準語から大阪弁に戻らないの?
東京ガール
ぼくらの町の乱暴で荒っぽい 言葉で話してほしい
今日だけでもいいから
出典: 東京ガール/作詞:タダミ 作曲:タダミ
大阪でしばらく過ごした君ですが、やはり標準語が大阪弁に戻る様子は一向に見られません。
関西人は別の地域に行っても方言が抜けにくいといいますが、君は東京での生活がかなり長かったのでしょう。
もしくは、東京で一緒に過ごしていた元カレの標準語に強い憧れや影響を受けた可能性も考えられます。
主人公がどんなに願っても、あの頃の君に戻ることは難しい…ということなのでしょう。