アニメ『ヴィンランド・サガ』とのタイアップ曲
「Aimerrhythm」とは?
数々のタイアップで有名になった歌手Aimer。
今回ピックアップする『Torches』も、漫画原作のアニメとのタイアップ曲となっています。
作詞が「Aimerrhythm」となっていることから、本人による作詞であることが分かります。
「Aimerrhythm」というのはAimerが作詞時に使用している別名です。
原作をしっかり読み込んで、その世界観を歌詞に反映していることが窺えます。
タイトル「Torches」の意味は?
公式ページからあらすじの引用です。
千年期の終わり頃、
あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした
最強の集団、ヴァイキング。
最強と謳われた戦士の息子トルフィンは、
幼くして戦場を生き場所とし、幻の大陸”ヴィンランド”を目指す――
激動の時代で巻き起こる、
本当の戦士の物語(サガ)。
出典: https://vinlandsaga.jp/introduction/
「ヴィンランド・サガ」で描かれる舞台は中世ヨーロッパです。
ヴァイキングと呼ばれる海賊がヨーロッパ各地で猛威を振るっていた時代。
過酷な運命に翻弄されながら、トルフィンは心身ともに成長していきます。
その生き方はまさに一寸先は闇。
特に戦場ではいつどの瞬間に死んでも不思議ではありません。
そんな闇を照らす光がタイトルになっている「Torch」です。
Torchは「松明」という意味があります。
松明とは、先に燃料を塗った木の棒のことで、夜の闇を照らすために使われた道具です。
どんなに暗い夜であっても、たった一つの光で闇の中を進んでいく勇気。
そのことがこの曲では歌われているのです。
苦しみもがきながらも必死に前へ進んでいくトルフィンの姿を思い浮かべながら聴いてみてはいかがでしょうか。
2019年7月7日(日)24:10よりNHK総合にて放送中!(※関西地方は24:45より) “WIT STUDIO”が満を持して挑む“本当の戦士の物語(サガ)”
詳しい作品の情報はこちらの公式ページを参考にしてみると良いでしょう。
MVのご紹介
YouTubeにはAimerのオフィシャルからMVが投稿されています。
松明を手にしたブロンドの女性が、浜辺で力強く舞踏する姿が印象的な映像です。
原作の舞台である北ヨーロッパを彷彿とさせます。
当然、インターネットなどの文明がまだ存在しない時代。
完全に肉体的な世界観が、現代を生きる私たちにとっては新鮮に映ることもあります。
ひたむきに毎日を生きるしかないという点においては、時代と関係がないのかもしれません。
だからこそ、1000年も昔のことでも自分に重ね合わせることができるのではないでしょうか。
力強く、肉体的に躍動する人間の美しさを失いつつある私たちに必要なものが込められているように感じられます。
1番Aメロ
それでは『Torches』の歌詞を1番から順番に見ていきましょう。
It's just like a burning torch in a storm
Like a little flower blooming in a home
強く確かな意思を掲げ
時に優しくあればいい
出典: Torches/作詞:Aimerrhythm 作曲:飛内将大
冒頭のAメロ部分です。
このように、英語の歌詞がところどころ使われています。
海外が舞台になっていますし、『蝶々結び』のように日本語だけの歌詞よりも雰囲気が出ます。
1行目は和訳すると「ただ嵐の中で燃えている松明のように」となるでしょう。
荒々しいヴァイキングたちの世界観と、それを照らす小さくとも力強く躍動する炎が映像として浮かびます。
2行目は同様にして「そして家の中に咲いている花のように」となるでしょう。
今度はまったく別の場面で、平穏な家の中に咲いている花が描かれています。
どちらにも共通しているところがあります。
それは、その空間を物質的に占有していないにもかかわらず、強い存在感を示している点です。
3行目の"強く確かな意思"という言葉が、嵐の中の松明や、家の中の花に象徴されています。
そして4行目。
"強さ"は"優しさ"を内包している、あるいは同義であるといってもよいでしょう。
後期の主人公トルフィンがまさにこのような存在です。