ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「生者のマーチ」とは?

生者のマーチ(ASIAN KUNG-FU GENERATION)最新ベストアルバム収録曲!MVアリの画像

ASIAN KUNG-FU GENERATIONといえば、3月28日にベストアルバムを3作を発売したことで、今話題ですよね。

そう、『BEST HIT AKG 2 (2012-2018)』、『BEST HIT AKG Official Bootleg “HONE”』、『BEST HIT AKG Official Bootleg “IMO”』の3作品ですね。

今回はそんな3作の中から、『BEST HIT AKG 2 (2012-2018)』に収録されている新曲、「生者のマーチ」を紹介します。

まずは...収録ベストアルバム『BEST HIT AKG 2 (2012-2018)』を紹介!

まず「生者のマーチ」が収録されている『BEST HIT AKG 2 (2012-2018)』の収録曲を紹介したいと思います。

2012年からのアジカンの歩みがわかる注目のアルバムです。

皆さんの好きな曲は入っているでしょうか。

夜を越えて
踵で愛を打ち鳴らせ
All right part2
それでは、また明日
アネモネの咲く春に
今を生きて
ローリングストーン
Standard / スタンダード
Easter / 復活祭
Planet of the Apes / 猿の惑星
Wonder Future / ワンダーフューチャー
Right Now
ブラッドサーキュレーター
リライト [2016]
Re:Re: [2016]
海岸通り [2016]
生者のマーチ

出典: BEST HIT AKG 2 (2012-2018)/ASIAN KUNG-FU GENERATION

当たり前ですけどまさにベスト!といった選曲ですね。

1曲ずつ紹介したい所ですが、今回のメインは「生者のマーチ」なので一曲だけ筆者のおすすめ曲を独断と偏見で紹介します。

2012年9月12日に発売された7作目のアルバム『ランドマーク』から今回ベストに収録された、「アネモネの咲く春に」。

東日本大震災、原発事故が起こり、この曲が作られた時期は後藤さんにとって悩みや苦しみの中にある時期だったようです。

そんな中で考え抜いて作り出された一曲。

ラジオで非常に時間がかかって作ったという話をされていたのが記憶に新しいですが、聴いていると様々な感情が凝縮されている感じがします。

人々の悲しみや苦しみ、後悔、そして、愛おしさ。

もし、聴いたことがないという人がいたら聴いてみてほしいです。

そして、初めて聴いたその時、どんな感想を抱くか訊いてみたいですね。

新曲「生者のマーチ」のMVを紹介

ここからは「生者のマーチ」のMVの物語を解釈したいと思います。

黒い服を着た女性が建物から出てくるシーンから始まるMV

その建物は後からわかりますが、火葬場の建物で、黒い服は喪服だったのです。

気づいたらテーブルで眠りについていたのでしょうか、そのテーブルの上にはマグカップが2つ。

大切な人を失って悲しみに暮れ、夜も寝付けずに気づいたらテーブルで朝を迎えたのですね。

あまりにも大きな喪失感を感じる映像ですね。

部屋にかかっているキャメルのロングコート。

思い出の中で女性が満面の笑みで抱きついた男性がきていたものです。

亡くなったのは女性の旦那さんか恋人だったようですね。

痛いほどの悲しみが伝わってくる映像ですが、女性の感情が繊細に描かれており、どこか絵画的でもあります。

葬儀の際には当たり前ですが黒い服、そして、悲しみにくれるシーンでは青、そして、幸せな思い出の中では赤い服を女性が身につけていますね。

こういった色彩も含めた細かな演出が繊細な感情を美しく描き出している理由でしょう。

この映像を一度見ただけでこの楽曲の持つ世界観は伝わってくるのですが、実際の歌詞の内容は...?

歌詞を解釈し、さらにこの楽曲を掘り下げて行きたいと思います。

「生者のマーチ」の歌詞を解釈!

ここからは「生者のマーチ」の歌詞を解釈していきます。

大切な人と居られる日々の尊さ、そして、命や愛について改めて考えさせられるような歌詞の意味に注目ですよ。

泣き続けたある日、その理由とは?

午後になって太陽が
濡れた頬を乾かして
静かに燃える日々の
頼りない輪郭をなぞった

そこにただ在るだけで
そのままぎゅっと引き寄せて
わけもなく抱き締めて
こと切れるまで

出典: 生者のマーチ/ 作詞:後藤正文 作曲:後藤正文

一晩中泣き続けて、朝が来て、昼になって太陽の光が部屋に差し込んだところでやっと涙が乾いたという情景が描かれる歌いだしの歌詞。

そんなにも泣いたのは愛しい人のことを想っていたからだということがなんとなくわかるのが次の歌詞です。

しかし、MVのように、本当に愛しい人を失って泣いていたわけではないということは後の歌詞からわかります。

いつもそこにいてくれるだけで、ただ抱きしめているだけで、幸せな気持ちになる相手も、いつかは死んでしまう、そんな日のことを考えて、涙を流していたのですね。

その中で、いつか失うなら、死ぬまで大切な人を、訳もなくただ抱きしめていたい、そんなことを考えてしまうのでした。

永遠ではない人間の命、自分もいつか死ぬとわかっていてもなかなか実感が湧かないものですね。

それなのになぜか、自分の愛おしい人もいつかは死んでしまうと思うと、それは悲しみという実感となって急に心細くさせたりするものですね。

続きの歌詞も見ていきましょう。

誰かの死から、生を想う

モノクロの葬列を
見送った町外れの
丘からは鈍色に
立ち昇る悲しみが見えたんだ

そばにただ居るだけで
涙がそっと流れ落ちて
祈る前に抱きしめて
朽ち果てるまで

出典: 生者のマーチ/ 作詞:後藤正文 作曲:後藤正文