断絶 同じ色だけ許して
違を詰った昨日でまだ殺めるのか
必然 見えすぎた解像で映し出した
痛みさえ愛と背乗りしては もう君じゃないの
出典: Q?/作詞:Reol 作曲:Giga・Reol
これまで生きてきた日常をガラリと変えるのは、誰にとっても難しいことです。
疑問を抱きながらも、何も変えることができずにいる多くの現代人。
間違っていないとは分かっていながらも、変わることを「悪」とする風潮がはびこっています。
その結果、色を失くしてしまったかのようなこの世界……。
元の色鮮やかな世界に帰るには、何かを変えなければいけないことは明白です。
それでも、「自分が変わる必要はない」と周りに合わせてしまう人々ばかり。
主人公は、「変わるべきだ」という自分の心に正直になることができるのでしょうか。
思えば、そばにいてくれたはずの君は、変化の先に何があろうと躊躇することはありませんでした。
そうして成長していったからこそ、混沌とした世界を抜け出すことができたのです。
生み出すことを決めた主人公
誰に言わぬこの意識は
コンクリートの深くまで秘するのです
違うから愛おしくなる
ただ求めたい この事象を
哀しみすらも金にして
筆を執る姿こそ至高であると、言って
出典: Q?/作詞:Reol 作曲:Giga・Reol
周りと「同じ」であることが、ある意味で「正しい」とされている現代。
しかし本当の魅力は、人それぞれが異なる個性を持っていることにあるといえます。
隣にいる誰かと違う一面を持っているからこそ、この世界は多種多様に色づくのです。
マニュアル通りに生きるがあまり、全員が黒と白に統一された世界は美しいとはいえません。
そして主人公は、ついに行動を開始します。
世界の違和感を「文章」で表すことに決め、人々の嘆きや悲しみを形にすることにしたのです。
その活動は、多くの人から反感を買うかもしれません。
しかし、反対されてもなお生み出し続けることに、主人公は「正しさ」を見出しているのです。
色を失った世界の中で
電池が切れたように落ちる椿の花
憂いてはゆらゆらと舞う静けさに酔う
椿もやがて落ちる
憂いては罰だけが僕ら責める
白夜をただ歩くよう
出典: Q?/作詞:Reol 作曲:Giga・Reol
鮮やかな赤い姿で、モノクロの世界にただ1つの「色」を加えている1輪の椿の花。
それは、変化を求め始めた主人公の姿とリンクしています。
目の覚めるような真紅の花びらが、周りの人間の心を動かすことができたら……。
そう願えど、色を失ってしまった世界を変えるのは途方もなく難しいことなのです。
そして、いつの日にか主人公の頑張りが途切れる時がやってきます。
花の部分だけがポタリと地面に落ちるように、一瞬にして歩みを止めてしまう主人公。
その後に残るのは、主人公が周りと違うことをしたという現実だけ。
「あいつは変わり者だ」といわんばかりに、周りから責め立てられる未来なのです。
どんな過ちも無意味ではない
生の瞬間から僕らは知っている
最善だけを願ったはずだ
きっとどの過ちも
出典: Q?/作詞:Reol 作曲:Giga・Reol
この世界は、さまざまな「間違い」で溢れています。
生まれてから今まで、正解だけを選んで生きてくることのできた人は誰1人としていないでしょう。
たった1つの間違いを、何年も何年も悩み続けている人もいるのです。
しかし、敢えて間違った道を歩んできた人などいません。
誰もが正解を求め、誰かの力になりたくて、自分を認めてほしくて、選択の答えを出すのです。
全ての選択が正解ならば、未来は明るいものになるでしょう。
それでも間違いを避けることができないために、人は悩み、どんどんと豊かになっていくのです。
ミスを後悔するということは、それだけ真剣に考えていたから。
その経験が、人をまた強くしていくのです。
人との違いこそが魅力
知れば知るほど青くなる僕ら
誰に言えぬその凡てが
知れば知るほどに僕らを青くして
違うこと愛おしくなる
ただわかりたい 君と僕を
出典: Q?/作詞:Reol 作曲:Giga・Reol
周りにいえない後悔や間違いに気がつき、自分が抱える本当の気持ちを認めることができたら……。
自分自身を認めることができるのは、自分しかいないのです。
しかし、本心に蓋をして見て見ぬふりをし、自分に嘘をつき続けていると、どんどんと苦しくなるだけ。
どんなに周りと異なっていても、その「個性」を受け入れることが大切なのです。
そうしてできた変化は、いつかモノクロの世界を色づけるきっかけとなるでしょう。
それは真っ赤な椿の花のように勇ましいものではありません。
じわりと根付き、静かに炎を燃やし続けるような青色……。
日々少しずつ歩みを進め、確実に未来へ近付いていくような「芯の強さ」を感じさせるような色です。