「ドリフのズンドコ節」が発表された1969年とは高度経済成長期ですが、敗戦からわずか24年後です。
敗戦経験が人生の骨になったと重ねて語るなかにし礼は「海軍小唄」の率直な情緒に惹かれたのでしょう。
この箇所だけは手を入れずにいたのです。
「ドリフのズンドコ節」が伝える叙情はコミック・ソングの領域を超えてゆきます。
戦争体験を語ることができる人が年々減ってゆく哀しい現実。
荒井注に続いて、いかりや長介も鬼籍に入られました。
そうした時代にあって創作物は戦争経験を真空パックして今に伝えます。
戦争の悲惨さを忘れるということはとても怖いことでしょう。
「ドリフのズンドコ節」にはそうした危険な傾向に抵抗する力があります。
伝えてゆきたい知られざるザ・ドリフターズの姿を若い方たちにご紹介できて嬉しいです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
OTOKAKEに遺るなかにし礼の軌跡
なかにし礼の代表曲
OTOKAKEには今回の記事の関連作がいっぱいあります。
中でも作詞家・なかにし礼の代名詞とも思える名曲をご紹介。
石原裕次郎の「わが人生に悔いなし」の歌詞を徹底解釈いたします。
渾身の記事になります。
ぜひご覧ください。
石原裕次郎【わが人生に悔いなし】歌詞考察!まるで本人の人生みたい?裕次郎最後のシングルに迫ってみよう - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
石原裕次郎の生前最後のシングル「わが人生に悔いなし」は彼の壮絶な闘病の時期に録音発表されたスワン・ソングです。作詞のなかにし礼もまた後年、癌との壮絶な闘いをします。私たちは人生の最期に何を遺せるでしょうか。歌詞を徹底解説します。
無料で音楽聴き放題サービスに入会しよう!
今なら話題の音楽聴き放題サービスが無料で体験可能、ぜひ入会してみてね