上は1番のBメロ。下は2番のBメロです。

好きかわからぬまま隣で 笑っていたんだね 悲しいよ

出典: 未だ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

最初にこの部分の歌詞をご紹介したのは、「未だ」で描かれる恋を象徴する歌詞だと解釈したからです。

1番では<僕>の、2番では<君>の内心がそれぞれ歌われています。

二人の関係は、”表面上”は両想い。隣にいて、それなりの関係もあったはず。

しかし、”水面下”でお互いの気持ちを見てみると、<僕>からの一方的なものでした。

筆者は、「未だ」は実った恋が失われていく失恋ソングではないと感じています。

虚構だった恋に気付いていく失恋ソング

つまり、<君>の気持ちは初めから無かった。それに気付いた<僕>の心情を歌った曲。

あまりにも辛い状況です。これを書きながら筆者はリアルに泣きそうです。

この状況を前提に、歌詞を見てみましょう。

それでも未だ…

未だに離れないよ すべて
うるわし首筋の匂いも
懐かしいあの日の残像も
君の涙も僕を呼ぶ声も 未だ…

出典: 未だ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

こちらはサビ部分の歌詞です。(↑1番/↓2番)

それでも憎めないよ君を 
傷付けまいとついてたあの嘘も
美しい過去になどできない
君の姿を探している僕は 未だ…

出典: 未だ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

1番のBメロで、気持ちがあったのは自分だけだと気付いた<僕>。

たとえ一方的であっても、<君>に対する想いはこんなにも強いものでした。

別れて時間が経っても、記憶に残っていることって意外と些細なことだったりしますよね。

とても共感できる部分ではないでしょうか。

特別なデートや記念日のことも覚えているけれど、ふと思い返すのは些細な仕草や香り、声。

<僕>が、<君>のことをよく見ていたことが窺える歌詞です。

曲名でもある「未だ」に続く言葉は……。筆者もあえてここでは書きません。

言葉にならなかった想いに、やりきれなさを感じます。

2番では、”憎めない”というフレーズがあります。

これは最初に紹介したBメロの歌詞を指していると解釈しました。

言ってしまえば<君>は、嘘をついていたことになります。考えようによっては騙されたと感じる人もいるかも。

しかし、<僕>は”それでも~”と歌っています。

”あの嘘”には、おそらく”未だ”に続く言葉と同じものも含まれていたと筆者は考えます。

2行目と4行目の歌詞を見る限り、<君>にも少なからず気持ちがあったはず…と思ってしまいます。

だから余計に1行目の歌詞のように思えるのかもしれません。

信じていたのは、優しい嘘だった。

その寂しげな言葉の意図を はぐらかして笑うだけ
永久を願った僕の言葉に うなずきはせず 笑うだけ

出典: 未だ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

上は2番のAメロ、下は2番のCメロです。

”分かりにくい”そんな君の 居場所になりたかった

出典: 未だ/作詞:阿部真央 作曲:阿部真央

Aメロの1行目”寂しげな~意図”は、2番のサビに登場した”あの嘘”と繋がっていると解釈しました。

<君>が<僕>に対して言い続けた偽りの気持ちや言葉。

表面上は誤魔化せても、空っぽの言葉から感じ取ったのは愛情ではなく”寂しさ”。

Aメロ1行目の歌詞では、不安を感じた<僕>が問を投げかけたのでしょう。

本当の気持ちを確かめたかったのかもしれません。

しかし、それに対して<君>は”はぐらかして~”。ずるいですよね、こんなの。

さらに辛さを助長するのが、Aメロ2行目。気持ちが一方的であることを嫌でも自覚させられるフレーズですね。

両方に共通する”笑うだけ”という姿が、最初に取り上げた2番Bメロの姿と重なります。

2番Cメロのフレーズは、解釈に悩みました。

筆者が思ったのは、<君>が同じ理由で他の人とも別れた経験があるのではないか?ということ。

<君>は、「好き」「愛」「恋」といった感情をまだ自覚できていない人だったのかもしれません。

「人を好きになるとは」なんて哲学的な問ですが、もちろんこの問いに答えはありません。

人それぞれだと思います。どういうことかわからないと感じる人がいても、不思議じゃないですよね。

<僕>はそんな<君>の”好きな人”になりたかったはずです。

好きだからこそ、なんとかして振り向かせたかった。

しかし結局、<君>の中で「好き」や「愛」といった気持ちが芽生えることはなかった。

それが、「未だ」で描かれた恋の結末ではないでしょうか。

【歌詞】サイトリンク

上記では順番が前後してしまっているので、正しい歌詞は下記のリンクからご覧ください♪

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