『匂艶 THE NIGHT CLUB』の歌詞解説の前に、この曲を聞いてみましょう。
動画サイト「YouTube」で、この曲の公式MVを探しましたが、ありませんでした。
その代わりにとてもユニークな動画を見つけました。
下にアップしましたので、どうぞご覧ください。
この動画に映っている男性は、ギターを抱えこの曲を熱唱しています。
声は桑田さんそっくり!
歌い方も意識的に真似ていますね。
とてもうまいです。
どうやら彼は、サザンオールスターズの曲を「YoutTube」にアップしている方。
彼の、この他の動画を見てみましたがどれもプロ級にうまいです。
曲調はマイナーコード。
小気味がいいリズム。
哀愁あふれる歌メロ。
ソウルフルなボーカル。
どこを取っても「サザンオールスターズ」が感じられる曲です。
こちらの動画に使われているのはカラオケです。
サザンオールスターズでの『匂艶 THE NIGHT CLUB』では、ホーンが味を出している曲です。
皆さんぜひ、サザンオールスターズのオリジナルバージョンを買って聞いてみてください。
『匂艶 THE NIGHT CLUB』歌詞解説
Aメロ
踊り明かそう 酒を食らおう 今宵 Summer Time
薄手のブラが裸の中身も透す
お前を賞める似合いの言葉無いから
身体ごとナメるように迫りくる
出典: 匂艶THE NIGHT CLUB/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
いきなり官能的な歌詞で、この曲ははじまります。
場所はどこかの「ナイトクラブ」。
まだ昼間の熱気がこもっている夏の夜。
主人公は、そこで出会ったセクシーな女性に目を付けます。
薄手の下着をのぞかせている女性。
まるで、それを見ているとその先も見えてしまうかのようです。
主人公いわく「彼女を誉める似合いの言葉なんかない」。
彼女のセクシーな身体を、主人公は熱い目線で撫でます。
Bメロ
背中に熱い熱い口づけのランデブー
時折 Just Another Man
君を振り向いてる
出典: 匂艶THE NIGHT CLUB/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
お互い無言のままランデブーを交わす二人。
踊っている彼女に目を付けるのは、なにも主人公だけではありません。
他の男の目をにらみつけながら、主人公は彼女とひと時を楽しんでいます。
ここまで主人公の目線で描かれてきていますが、女性の心情はどうなのでしょうか?
気になるところです。
サビ
Night Club で男も濡れる
波をまくらに漂うほどに
匂う女の舞うトルバドール(Troubadours)
出典: 匂艶THE NIGHT CLUB/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
サビでは主人公の目線で情景を見るのではなく、第三者の目線で情景を描いています。
バーテンダーあたりの視線で描かれていると考えてよいでしょう。
男が「何を濡らす」のかここでは言いませんが、熱気あふれるクラブ内の情景が手に取るように感じられます。
次の「匂う女」というフレーズ。
タイトルにある単語がここで出てきました。
「匂う」のは、女性のフェロモンだったのですね。
続いて「トルバドール」とは「吟遊詩人」のことです。
吟遊詩人はヨーロッパ中世に、詩や曲を作って旅をしていた人たちのことをいいます。
中世のヨーロッパでの吟遊詩人の社会的地位は高く、現在でも彼らの作った詩を読むことができます。
本邦で例えると『平家物語』に登場する琵琶法師のような職業ですね。
2番Aメロ
匂艶のホールでギラギラの秘め事
下心で胸がはりさけそうな Monday
Stop the Music 彼女が昔を憂うナンバー
やるせない 踊れない 口説けない
出典: 匂艶THE NIGHT CLUB/作詞:桑田佳祐 作曲:桑田佳祐
更に熱気がこもる「ナイトクラブ」。
男性たちが女性をモノにしてやろうと躍起になっています。
ホール内にある曲がかかります。
それは、彼女が昔を思い起こす曲。
はたして彼女の過去に何があったのでしょうか?
その光景を見た主人公は、女性を口説こうとする気持ちが萎えていきます。