かけがえのない「出会い」に感じたもの
藤原さくらの2ndシングルに収録された「Someday」は、彼女自身が作詞作曲を手がけた歌です。
彼女がドラマに出演したときの「出会い」や、彼女の祖父母の「出会い」に感じたことを基に、彼女自身の言葉で紡ぎ出されています。
この「出会い」は運命だろうか、偶然だろうか、――そんな風に考えるくらいにはかけがえのない「出会い」をした彼女の言葉は少し不思議な雰囲気を醸し出し、軽快な音楽に彩られ心地よく流れ込んできます。
素敵な「出会い」から期待されるしあわせな未来を思い描く「Someday」の歌詞を紐解いていきます。
「出会い」から期待する未来を描く
ひとり と ひとり
いつか ふたり になって
歩く 見つける
廻る 広がる
出典: Someday/作詞:藤原さくら 作曲:藤原さくら
『ひとり』同士だった『ふたり』が出会い、その後の人生を一緒に歩んでゆくという描写です。
『ふたり』は共に歩きだしたその先で何を見つけ、何が廻り、何が広がると言うのでしょうか。
ここでの『ふたり』は、基となっているのが彼女自身の仕事現場での出会いや彼女の祖父母の出会いということで、この歌詞の中では恋人同士とも友人同士とも捉えられるようになっています。
しかし方向性を定めるためにも、今回は恋人同士と仮定して読み解いていくことにします。
ぼくらはいつも主人公で
物語の中にいて
ふたりが会うのは必然
ハッピーエンドじゃないと!
出典: Someday/作詞:藤原さくら 作曲:藤原さくら
人生を『物語』とすると、自分自身はいつだって自分自身の『物語』の主人公です。
『ふたり』が出会うのは偶然のことではなく、約束された必然のこと。
そう信じるに足る出会い方をしたのでしょうか。
それともお互いに何か感じるものがあったということでしょうか。
そうして出会った『ふたり』が一緒に織り成す『物語』に待ち受けるものは『ハッピーエンド』でなければ、という希望と期待に満ちています。
Someday いつか ふたりが
もっと長い時を過ごして
それでも 運命がまた廻って
物語は 続いていくの
そうだって言ってよ!
出典: Someday/作詞:藤原さくら 作曲:藤原さくら
出会ったばかりの『ふたり』は更に長い時を一緒に過ごすことでしょう。
その先にあるのは不変のものではなく、『運命』が『廻る』と表現する出来事が起こり『物語』は続いていきます。
『物語』といえば山あり谷あり。
良いことも悪いことも起こりますが、そうしたことも一緒に乗り越えながら、『ふたり』の『物語』は続いていくのです。
それはこの歌詞の中で語っている現在からすると、いつかの未来のことです。
未来のことはまだ確定されているわけではなく、本当に在りうる未来かどうかもわかりません。
けれど、だからこそ、この先もずっと『ふたり』は共に在ってほしいと言っているのです。
その確証を誰かにしてほしい、そんな未来が在ると同意してほしいという願いが表れています。
ねぇ、 もしこれが偶然で
街中 すれ違っても
きみに気がつくこともない
そんな世界もあるの?
出典: Someday/作詞:藤原さくら 作曲:藤原さくら
『ふたり』の出会いは『偶然』でしかなく、街を歩いているときに『きみ』にすれ違っても気がつくこともない他人同士、という可能性もあり得たのだろうかという疑問を投げかけています。
何かが、どこかが掛け違っていたら、『ふたり』はお互いにまったく知らない者同士のままだったかもしれません。
この疑問には、そんな「もしかしたら出会っていなかったかもしれないこと」に対する不安が表れています。
ぼくらはいつも主人公で
物語は変わらない
隣にいるのは必然
ハッピーエンドしかない!
出典: Someday/作詞:藤原さくら 作曲:藤原さくら
しかしそんな不安も振り払うように、いまの『ふたり』が共にいるのは決まっていたことだと続きます。
違う『物語』なんていうものはないと否定しています。
そして自分たちが『主人公』として紡ぐ『物語』の行き着く先は『ハッピーエンド』しかないのだと言い切ります。
不安を感じてしまった自分自身に言い聞かせるような、力強い語調です。
Someday いつか ふたりが
お互いの大切な人も 大事にして
Someday いつか ふたりが
ふたりより大切な子に出会う
そんな未来
出典: Someday/作詞:藤原さくら 作曲:藤原さくら
『お互いの大切な人』というのはそれぞれの家族のことでしょうか。 『ふたりより大切な子』というのは『ふたり』の間に生まれる子どものことでしょうか。 いつか『ふたり』が結ばれ、そうして子どもに恵まれる、そんな幸せな未来を思い描いています。