①自由という名の風、勇気という名の船
この世でたったひとつの
命を削りながら
歩き続けるあなたは
自由という名の風
底知れぬ闇の中から
かすかな光のきざし
探し続ける姿は
勇気という名の船
出典: 希望という名の光/作詞:山下達郎 作曲:山下達郎
私たちの命は永遠ではなく限りのあるものです。"生きて行く"ことは、見方を変えれば<命を削>ること。
限りある命を削りつつも<風>のように自由に、<船>のように勇敢に歩みを進めることができる。そういった種類の希望もあるんだ。
この歌詞はそんな希望を私たちに教えてくれています。
②だからどうぞ、泣かないで
だからどうぞ泣かないで
こんな古ぼけた言葉でも
魂で繰り返せば
あなたのため
祈りを刻める
出典: 希望という名の光/作詞:山下達郎 作曲:山下達郎
「だから、どうぞお願い。泣かないで」
何度も言い古されたであろうありきたりな台詞だったとしても、<魂>を込めて<繰り返>すことで人々に伝わる祈りとなる。
こちらの歌詞にはそんな想いが込められているように感じます。
③傷ついた心には愛を
眠れない夜のために
子守歌があるように
傷付いた心には
愛という名の絆を
A Ray Of Hope For You
A Ray Of Hope For Me
A Ray Of Hope For Life
For Everyone
出典: 希望という名の光/作詞:山下達郎 作曲:山下達郎
赤ちゃんが寝付けないとき、気持ちよく眠りにつけるために歌ってあげるのが<子守歌>です。
それと同じように<傷ついた心>を癒すためには<愛という名の絆>を与えあいましょう。
英語の歌詞は「あなたへの希望の光、わたしへの希望の光、人生への希望の光、みんなへの希望の光」という意味です。
④希望という名の光を忘れないで
運命に負けないで
たった一度だけの人生を
何度でも起き上がって
立ち向える
力を送ろう
どうぞ忘れないで
移ろう時代(とき)の中から
あなたを照らし続ける
希望という名の光を
出典: 希望という名の光/作詞:山下達郎 作曲:山下達郎
この歌詞からは"限りのある人生を諦めないで欲しい"というメッセージが聞こえてきます。
未来への<希望>を通して、傷を癒すための愛を、過酷な運命に立ち向かえる力を、私たちは受け取ることができるのです。
だからどんなときでも<希望という名の光>を<どうぞ忘れないで>。
"3.11"後、ラジオで頻繁にオンエアされた「希望という名の光」
「希望という名の光」リリースから1年後、日本で"3.11"東日本大震災という出来事が発生しました。
当該地域ではライフラインが壊滅した地域も多く、たくさんの人々がラジオに頼ることとなりました。
震災の影響を多く受けなかった地域でも、普段のテレビ番組やラジオ番組の放送は自粛。
そんな中ラジオを通して何度もオンエアされ、人々を勇気づけた楽曲。それが「希望という名の光」だったんです。
2011年4月6日に放送されたNHKの音楽番組『SONGS』ではこの曲のPVがオンエアされました。
「希望という名の光」が"震災復興ソング"となったのは、山下さんご本人の意向というよりリスナーが意味付けしたものでした。
山下さんはそれを好意的に思い、ベストアルバム『OPUS』のライナーノーツでは"音楽は世間に出ることで聴き手みんなのものになる"という旨のコメントを寄せています。
こちらは、2014年4月24日に山下さんのラジオ番組「サンデーソングブック」で放送された「希望という名の光」のライブ音源です。
ライブは同年4月20日、岩手県民会館で行われたもの。4月14日に発生した熊本地震を受けてのコメントも収録されています。
どんなに遠く離れていようとも、音楽は人の心に力を与えてくれる。
そんな音楽の力を信じられるライブ音源です。みなさん、ぜひ一度ご視聴ください。