君の生き方を否定しなくていいように
もう一生、後悔したくない僕らは吠えたい
負け犬が吠えるように生きていたいんだ
君のそんな顔なんか見たくもないんだ
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
死ぬことばかりを選んできた主人公が、初めて生きることへの執着を口にします。
君の生き方を否定しなくていいように。
君に悲しい思いをさせなくていいように。
人生と向き合うことを選んだのです。
そしてこれは「雲と幽霊」で君が主人公に対して望んでいたことでもあります。
自分が死んだことで悲しい思いをさせていることや考えていることも全てお見通しでした。
そんな主人公に対して、悲しみを背負わずに生きて欲しいと願っていたのです。
もし自分のことは忘れても、いつも見守っているという誓いを立てながら。
何度も生まれ変わった末に、主人公はやっと人生と向き合うことができるようになりました。
決して素晴らしい人生ではなかった
早く君に会いたい
人生に名前をつけるなら
希望って言葉は違うだろ
もう何年待っているんだろう、わからないか
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
いくつもの人生を生きてきた主人公。
ここまで苦悩や悲しみが描かれてきたように、決して素晴らしいと呼べるものではありませんでした。
何度生まれ変わっても君に会うことはできず、苦しいだけの時間だったのです。
そして最後の行は、君に向けて歌っている言葉なのでしょう。
主人公も君も何度も生まれ変わっており、相当な時間が経過しているのです。
お互いに大切な存在だと思い合っている
君以外はどうでもいいんだよ
それだけはわかっていたんだろ
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
主人公が君と会えることを切に願っているように、君も主人公と会えることを願っています。
「雲と幽霊」では幽霊になった君が主人公に会いに行く様子が描かれていました。
君にとっても、主人公は大切な存在なのです。
生きることへの覚悟
もう一回、もう一歩だって歩いても言えない
所詮音楽が響くか 何もかもが言い足るものか
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
ここからの歌詞は主人公の生きることへの覚悟が描かれていきます。
印象的なのは「言って。」と「雲と幽霊」でも使用されていた「言う」という表現です。
「言って。」では、君が“死んだ”ということを、君の口から直接聞きたいという願いが込められていました。
「雲と幽霊」では、もう死んでしまったから、君に直接“死んだ”と言うことができないと歌っていました。
そして「負け犬にアンコールはいらない」では、“死んだ”ことをあえて口に出さない主人公が描かれています。
もしこのまま死んでしまったら、君に会わせる顔がない。
自分の人生と向き合い、生き抜いた上で君に会いに行くのだという覚悟を込めているのです。
負け犬にアンコールはいらない
もう一回、僕たちにもうアンコールなどいらない
吠え面かけよ偽善者
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna
n-bunaはアンコールを“生まれ変わること”の意味で使用していると述べていました。
つまりこの歌詞は、もう生まれ変わらなくていいと宣言しているということ。
もう自ら命を絶とうとはしない、これが最後の人生だという思いで生きていくのだと歌っているのです。
今のこの人生を生き抜いていく
もう一回、もう一歩だって歩いたら負けだ
世界平和でも歌うか 早く全部を救えよ愛とやらで
もういい、もうこんな人生全部を賭けたい
負け犬なりに後悔ばっか歌って
また夢に負けて、昨日を愛おしんで
出典: 負け犬にアンコールはいらない/作詞:n-buna 作曲:n-buna