同棲生活をおくる前までの主人公は女性にとって申し分のない恋愛対象のはずです。

そうでなければ一緒に暮らすなんていう行動には簡単に出られません。

はっきり言えたのは、女性は主人公のことが好きだったということ。

この人となら一緒に暮らしていくことに何の抵抗もなかったのです。

だから女性も頑張りました。

好きな主人公のために尽くせるところは尽くしました。

主人公の身の回りの世話はほぼ完ぺきにやりこなしたのです。

ところが時間の経過とともに主人公の態度に変化が表れたのでしょう。

糟糠の妻がごとくかいがいしい女性が近くにいてくれることが当たり前になったのです。

主人公はすっかり亭主気取りになってしまったのでしょう。

女性に対して付き合い始めたころの愛情をかけ方を、おろそかにしてしまったのです。

それに気づかないくらい主人公は1人、幸せだったのです。

つまり自分のことが1番好き女性は2番目になってしまった、ということなのです。

別れてしまってはじめて自分の過ちに気づく

こんなにいっぱいの
君のぬけがら集めて
ムダなものに囲まれて
暮らすのも幸せと知った

君あての郵便が
ポストに届いてるうちは
かたすみで迷っている
背中を思って心配だけど

出典: もう恋なんてしない/作詞:槇原敬之 作曲:槇原敬之

別れた当初は強がりと自己擁護から抜けられなかったのか、たくさん無理をしていました。

しかし、時間の経過とともに自らのいたらなさに気づいていったようです。

女性に対するいたわりねぎらいがあまりにも足りなかった

自己中心的な毎日を送ってしまい、女性の気持ちを全く受け入れなかった自分に気づいたのです。

恐らく主人公の男性は浮気やDVのようなことはなかったでしょう。

ただ、あまりにも女性に対して礼儀を逸してしまった。

ひどい言い方をすると女性をモノ扱いしてしまった。

その報いが自分にかえってしまったのです。

主人公のやり直し

女性を窮屈にさせ過ぎた悔恨の気持ち

「もう恋なんてしない」という楽曲は実はまた恋をします、という主人公の決意を歌った楽曲です。

ただ、主人公の人間性を想像するにそう簡単に恋をできるか、はなはだ疑問です。

歌詞は様々な人生模様を聴く人に提供してくれます。

果たして、この主人公は歌詞通りに「恋をしないなんて絶対、言わない」を守れるのでしょうか?

歌詞から想像すると、ものすごく別れた女性にぞっこんでした。

強がっている描写もでてきますが、強がりは弱さの裏返しです。

恐らく主人公の男性は心身ともにズタズタでしょう。

ここしばらくは新しい恋など、したくてもできないのが本心でしょう。

気持ちの区切りを案外、早くつけられるのは女性のほうです。

主人公はこの先当分、今の気持ちにけじめをつけられずに悶々とした毎日を送る羽目になりそうです。

この先も女性の幻影に悩まされるのか?

それもこれも別れた女性が素晴らしすぎたからです。

主人公の陰ひなたになって面倒を焼いてくれたであろう女性。

そのおかげで主人公の男性は何不自由ない生活を送れました。

しかし、それがあだになったのかもわかりません。

「もしかしたら、わたしの存在があの人をダメにしているのかもしれない」。

分かれた女性はそんな問題を常に心に抱えていました。

主人公の男性からはすっかりギラギラした野心や闘争心が失せてしまっていたのかもわかりません。

このままズルズル暮らしていたらきっと1人前の男性になれない

女性はそこまで思いやったのかもわかりません。

こうなってくると、主人公が本当の答えを見つけられるのにはまだ時間がかかりそうです。

恋は勢いで燃え上がりますが、愛は根気も必要です。

そのことに主人公が気づく時が、別れた女性の期待した答えかもしれませんね。

まとめ

「もう恋なんてしない」の歌詞の文法を中心にここまでご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。

多少ややこしい文法の説明などもありましたが、この歌詞にはこの文法だからこそ、効果的に槇原さんがこの歌詞に込めたかった気持ちがより深く伝わる効果があったように感じます。

そして、1番と2番の間には少し君への想いの変化があり、1番は失恋の喪失感から立ち直れていない、未練がある様子が描かれていて2番は立ち直り前向きになって次に進む様子が描かれています。

だからこそ、この曲は失恋から立ち直りたい人に聞いてもらいたい曲といえます。

「もう恋なんてしない」に登場した主人公はきっとおおいに反省しているでしょう。

自分の落ち度が招いた今回のことを真摯に反省していることでしょう。

失恋の痛手から立ち直るには周囲が思う程、簡単ではありません。

しかし、別れた女性の真意をいつの日かつかむことができるはずです。

時間はかかったとしてもそれに気付いた時、主人公は新たな恋に向けて歩めるでしょう。

そう思えば、今回の結末、決して無駄にはならないはずですからね。

主人公の1日も早い復活を祈りたいものです。

さて独特の切り口で男女の恋愛模様を描きだす槇原敬之さんの楽曲、まだまだたくさんありますよ。

1992年リリースされたアルバム「君は僕の宝物」に収録されている「遠く遠く」は2回のセルフカヴァーをはじめ、著名アーティストのカヴァーも数多くされている人気楽曲です。CMソングにも起用され、幅広い層の人たちの耳に届いていますが、実はシングル化がされていません。今回はその理由や歌詞に迫ります。

こんな曲もいかがでしょうか?

日々の暮らしの何気ない思いを歌につづり、それをLIFE SONGと名付けた槇原敬之。珍しくメタファー(暗喩)で敷き詰められた『Hungry Spider』は、名曲と言われながらも不運にして埋もれざるを得なかった楽曲です。今回は『Hungry Spider』に光を当て、なぜこの曲が埋もれることになったのかをひもときます。

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