3人体制後初のフルアルバム収録曲
「YUBIKIRI」は2021年2月に発売されたフルアルバム『REAMP』に収録された楽曲です。
もともとヒトリエはボカロPとして活躍していたwowakaさんを中心に結成されました。
wowakaさんの急死以降、メンバー同士ヒトリエの活動をどう続けるか模索する日々が始まったのです。
そして、ヒトリエというバンドを残し、3人体制で再度活動することを決めました。
『REAMP』はそんな彼らの決意や想いがこもったアルバムです。
「YUBIKIRI」は彼ららしいサウンドにどこか優しさのある歌詞がのり、心にスッと入ってくる楽曲です。
自然と前を向く力をくれるような楽曲なので、ぜひ一度聴いてみてください。
自分たちの日常
変わらない日常
ミサイル飛んで落ちた 相変わらずだ僕ら
以外とこんなもんで別に何もなんないもんだ
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
歌い出しはどこか達観したような、世の中への興味が薄そうな言葉から始まっています。
ミサイルが飛んだとなれば、大きな騒ぎになっていてもおかしくありません。
しかし主人公たちの生活の中ではそんなことは関係なく、何も変わっていないのでしょう。
世間は大騒ぎしていても、自分たちにとっては一大事ではないのです。
それは例えミサイルではなくても同様なのでしょう。
世間で騒がれることがかならずしも自分たちに関係するわけではないと考えられます。
空に浮かぶ変わらないもの
渋谷の空中でシーラカンスが泳いでる
アイスクリーム片手に眺めようぜ今夜
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
シーラカンスは生きた化石とも呼ばれ、時代遅れなものを表現する際の例えとして用いられる魚です。
渋谷は新しいモノで溢れている街であり、シーラカンスとのアンバランス感が際立って感じられます。
時代の変化に置いてけぼりになったものがあるというネガティブな意味かもしれません。
もしくはどれだけ時代を経ても変わらない良いものもあるというポジティブな意味にも捉えられます。
しかし、主人公にとってはそのどちらの意味でも良いのでしょう。
ただ珍しいものを楽しむように、主人公はそれをアイスクリームを頬張りながら見ようとしています。
自分たちにちょうど良いもの
くだらなさ過ぎるくらいが
僕らにはよく似合っている
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
主人公にとっては世間が騒ぐような大きなニュースはどうでもよいものでした。
自分の生活に直接関係していないのであれば、それほど気に留めないのでしょう。
それよりは身近にいる仲間とともにくだらないことをしている方が自分たちらしいと思っているようです。
当たり前は忙しい
意外と忙しい日々
泣いて、笑って怒って
吐いて、吸って吐いて
意外と僕らそんな暇じゃない忙しい
出典: YUBIKIRI/作詞:シノダ 作曲:ゆーまお
1番のサビの歌詞です。
何気ない日常を送っていたとしても、その日々の中には様々な出来事があります。
その出来事を通して、笑ったり泣いたりと感情を揺さぶられることもあるでしょう。
毎日呼吸をして、感情の波があり、身近な出来事だけでも時間はあっという間にすぎていきます。
そうすれば自分と関係ない話題にまで時間を割けるほど、主人公たちは暇ではありません。
直接関係ない、どうでもよいことに割く時間はないのだと考えられます。