3位 キラーチューン

【東京事変】人気曲の歌詞の意味を解釈!「遭難」や「キラーチューン」などまとめてご紹介♪の画像

2007年8月にリリースされた5枚目のシングル

キラーチューンといえば誰の耳も虜にする、最も推しの曲という意味ですが、その名に相応しく、華やかで疾走感あふれる1曲です。

MV

天気雨のさいたま新都心を、傘も差さずに気取って歩く林檎ちゃん。

美しいお化粧も衣装もハイヒールもずぶ濡れですが、誇らしそうにウォーキングして見せます。

まるで美しいライトのように、木漏れ日としずくが彼女に降り注ぎます。

メンバーも、雨をものともせずに激しく演奏を続けます。

そして太陽に、空に、叫ぶように歌い上げる彼ら。

最後には、退場した林檎ちゃんの代わりにスーツ姿のダンサーが華麗にステップを踏みます。

歌詞

「贅沢は味方」もっと欲しがります負けたって 勝ったってこの感度は揺るがないの
貧しさこそが敵

出典: キラーチューン/作詞:椎名林檎 作曲:井澤一葉

「贅沢は敵」“欲しがりません勝つまでは”といえば、戦時中の日本のコピー。

戦争のため、物資を節約しなければならなかった日本は、そのコピーを胸に質素倹約に努めていました。

しかしこの曲では、贅沢は味方と高らかに歌い上げます。

ですがこの曲で歌われる「贅沢」とは、物質的な贅沢ではありません。

気持ち的な贅沢、つまり感度や気分に任せて生きること。

やりたいと思ったことをためらわない、そんな生き方は何よりの贅沢です。

贅沢するにはきっと財布だけじゃ足りないね
だって麗しいのはザラにないの 洗脳(わな)にご注意

出典: キラーチューン/作詞:椎名林檎 作曲:井澤一葉

そんな贅沢には、お金だけじゃ足りません。

たとえば欲しいものがあるとき、それが本当に自分にとって価値のあるものか、見極めるだけの目が必要になります。

この世は洗脳に溢れています。

長い目で見て価値のあるもの、本当に自分を輝かせてくれるものはそう多くありません。

ご覧、ほらねわざと逢えたんだ 季節を使い捨て生きていこう
夜も秋も盗めないよ 貴方は私の一生もの

出典: キラーチューン/作詞:椎名林檎 作曲:井澤一葉

そんな目を磨いた主人公は、“貴方”を見つけます。

一生ものにも思える、大好きな貴方。

それは神様が決めたみたいにピッタリの、運命も信じちゃいそうな恋です。

贅沢するにはきっと妬まれなきゃいけないね
ちょっと芳(かぐわ)しいのを睨まないで 欲しがらないなら

出典: キラーチューン/作詞:椎名林檎 作曲:井澤一葉

いつの世も、幸せそうなひとは妬まれてしまうもの。

だけど、そんなあたしを妬むだなんてお門違いだわ、と一掃して見せます。

わたしは欲しがって、努力して、幸せを手に入れたんだもの。

あなたも欲しがったらいいのよ。

そう歌っているのです。

「今日は一度切り」無駄がなけりゃ意味がない
絶対美しいのは計れないの 溢れ出すから

出典: キラーチューン/作詞:椎名林檎 作曲:井澤一葉

美しさとは、計ったり比べたりするものではなく、人知れず溢れて、目を引くもの。

しかしそんな美しさが際立つのは、“無駄”があるからです。

ご覧、険しい日本(ここ)で逢えたんだ 探し出してくれて有り難う
空も恋も騙せないよ 私は貴方の一生もの

出典: キラーチューン/作詞:椎名林檎 作曲:井澤一葉

まるで険しい山への登頂のように、辛く険しい現代日本。

そんな場所で見つけ出してくれた貴方を、きっと一生大切にするから。

そう歌うのです。

2位 遭難