そうして夢を追い続けているのは決してあなただけではない。
1つの勝負を終わらせるまで続くこの物語を、決して1人だけだと思わないでという激励のフレーズです。
どちらかというと、タイアップ先のデュエルマスターズの世界観を強く意識したリリック。
デュエリストとパートナーたちの熱く強い絆の先にある勝利のイメージが広がります。
自分たちならこの世界すら変えられる、そう言い切れるほどにどこまでも広がっていく想い。
実際にツインボーカルで交互に歌唱している点も、更に歌詞の意味と共鳴しています。
1人ではないということのパワーを心の底から感じられる歌詞です。
過去すら武器に変えて
戻りたくない過去
真っ直ぐな道を 進む時さえ
不安だけは 消えずに付き纏ってた
何時の間にか外から 心を固く閉ざし
自分さえも忘れて 誓いを破っていた
出典: 1,000,000 TIMES/作詞:Hiro 作曲:Nob
先ほどまでのどこまでも進み続けるような熱いリリックとは一変しています。
そうなるまでに幾度と経験してきた、ネガティブな一面を描いている歌詞です。
例え、毎日をそのままに生きているだけでも、そこにあったのは憂いの数々。
自己嫌悪や自己肯定感が低下していき、自分に自身がなくなっていく様が感じられます。
そうして、己すらも信じられなくなった先で、全てをシャットアウトし始めるのです。
まさに先ほどまでいっていた「1人」だと解釈できます。
そして、ここの歌詞はHiroの過去も強く影響しているのではないかと考えます。
両親のこと、兄のこと、親の七光りといわれ続けてきた初期のバンド人生。
それはまさに歌詞3,4行目で謳われていることとリンクしているのではないでしょうか。
ずっと忘れない
渇いた嗤いを浮かべて
滲んだ涙を飲み干した
歪んだ思いを伝えたい
このまま失いそうだから・・・
出典: 1,000,000 TIMES/作詞:Hiro 作曲:Nob
その艱難辛苦の日々を、忘れてしまう前に想いに乗せたいといっているのです。
実際にこの楽曲にも投影されている部分は数多く存在。
更に言えば、当楽曲のカップリング曲『MINORS』でも深く述べられていると解釈出来ます。
自分を取り繕って、裏では誰にも言えない悲しみに飲まれ続けてきた過去。
人間の持つ負のパワーは絶大です。
そんな何物にも代えがたい憂いた感情を、ロックバンドとして届けたいといっています。
ずっと残り続けている壮絶な過去。
それがあるからこそ、今のHiroが、MY FIRST STORYがあることはいうまでもありません。
100万回挑んだとしても
見えずともそこにある
狂おしく美しい絶望に 包み込まれても
未来が暗ければ暗いほど 辛く迷う日もあるけど
100億年も前から 「光」はあるから
僕は最後まで最後まで 希望を捨てずにいるんだ
出典: 1,000,000 TIMES/作詞:Hiro 作曲:Nob
光は絶対にどこかに存在すると言い切っているフレーズ。
その未来を掴み取るためには、敗北や挫折は乗り越えなければならないといっているのです。
先ほどのサビの歌詞同様に、物事には光と闇の2側面があるといっているのが1行目の歌詞。
あれほど悩まされてきた「絶望」でさえも、その中にはポジティブな部分が隠されているのです。
さらに飲み込まれるではなく、「包む」と表現している点も、いつかは乗り越えるという想いを感じられます。
しかしながら、ずっと諦めずに前を向き続けることはそう容易なことではありません。
それは、失敗した過去を持っている人だからこそ成し遂げられるのではないかと考えることが出来ます。
必死に掴み取ろうとする
真実は弱く儚くて 偽りは強く蝕むんだ
「君」と「僕」の結末なんて
「白」か「黒」じゃ決めらんないよ
ありふれてる奇跡や 待ち受けてる運命でも
変わらない 一つじゃないから
出典: 1,000,000 TIMES/作詞:Hiro 作曲:Nob
掴もうとしている未来はほんの僅かで、すぐに消えてしまいかねない。
それほどに奇跡的で一筋縄ではいかないものだといっています。
そして私たちが進み続けた先の結果を、良いか悪いかの二元論で決めるのはナンセンスなのです。
与えられた行く先は1つではなく、無数に広がっている。
それほどに可能性は無限大であり、どのようにでも生きられるという力強いメッセージが込められています。
ただ疾走感あるサウンドだけではなく、そこに込められた想いはエモーショナル。
何度だって立ち上がって夢を描こうとする貪欲な姿が描かれていました!