今は見えなくなってしまった〝彗星〟は〝君〟と一緒にいたからこそ見ることができていた物で、二人の目印として共有していたものだったことが伺えます。

しょっちゅう唄を歌ったよ その時だけのメロディーを
寂しくなんかなかったよ ちゃんと寂しくなれたから

出典: ray/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

〝その時だけのメロディー〟には浮かんでは消えてゆく、不安定な精神状態が見え隠れしています。
寂しいという感情をもつこと=大切な人の事を忘れていないという安堵から、結果として〝寂しくない〟と言い聞かせていることが分かります。

失ったあなたへ語りかける想い

いつまでどこまでなんて 正常か異常かなんて
考える暇も無い程 歩くのは大変だ

出典: ray/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

大切なものを失った、というその事実に対しての一般論は多くあるものの、そういった考えが当事者にとってはなんの意味ももたないことを表している部分です。

楽しい方がずっといいよ ごまかして笑っていくよ
大丈夫だ あの痛みは 忘れたって消えやしない

出典: ray/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

ここでは突然誰かに語りかける口調になっていますが、これは自分に対する決意の言葉であるとともに、〝失った人〟に心配をかけないようにしようとするメッセージともとれます。

大切な思い出という光

理想で作った道を 現実が塗り替えていくよ
思い出はその軌跡の上で 輝きになって残っている

出典: ray/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

描いてきた未来の先にあった現実が思っていたものではなかったために失望していますが、その中に〝失った人〟と残した大切な思い出があったことを確認している部分です。

お別れしたのは何で 何のためだったんだろうな
悲しい光が僕の影を 前に長く伸ばしている

出典: ray/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

ここで初めて〝光〟(=ray)が登場します。

〝悲しい光〟と表現していますが、rayには(希望の)光という意味もあることから、〝前に長く伸ばしている〟という部分で、これからの自分の道筋を照らしている=一種の希望を見ているともとれる表現です。

時々熱が出るよ 時間がある時眠るよ
夢だと解るその中で 君と会ってからまた行こう

出典: ray/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara

悲しみで熱にうなされ、思ったように眠れないという状態
そんな断片的な眠りの中で夢の中に〝失った人〟が登場すると、それを夢と自覚しながらも勇気づけられていることが分かります。

消えない想いを抱いて

晴天とはほど遠い 終わらない暗闇にも
星を思い浮かべたなら すぐ銀河の中だ

出典: ray/作詞:Motoo Fujiwara 作曲:Motoo Fujiwara