大人になるにつれてうまくなる愛想笑い。
主人公は繊細な性格なのでしょう。
主人公は愛想笑いをするたびに心をすり減らしてきました。
そして、17歳のときと変わらず生きる意味を見いだせないまま過ごす毎日に、うんざりしているようです。
昔と変わらない自分
あの頃とは違う空見ているけど
何も変われなかったあの日の僕が
何も捨てられずにここにいる
出典: 22/作詞:片桐 作曲:Hakubi
あの頃とは17歳のときの自分のことでしょう。
おそらく主人公は地元を出て過ごしているのではないでしょうか。
夢を見つけた17歳の自分とは違う場所で過ごしているけれど、夢は変わらず持っていることを示しています。
変われなかったという表現から、主人公の自己肯定感の低さも見えてきます。
周りの人たちは、就職や結婚などしていく中で、自分だけが昔と変わらない夢を追いかけている。
そんな状況を良く思わない人もいたのかもしれません。
そんな人達から「いい加減現実を見ろ」などと言われたこともあったのではないでしょうか。
しかし、主人公は夢を捨てきれない今の自分と昔の自分を重ね合わせているようですね。
理想と現実のギャップ
叫んでも叫んでも痛むだけで
なりたかった自分ってこんな自分だっけ
出典: 22/作詞:片桐 作曲:Hakubi
叫んでも痛むだけでというフレーズは「17」でも使われています。
主人公は歌で自分の気持ちを叫ぶように表現してきました。
それでも主人公の傷は癒えるどころか、傷ついてしまうばかりでした。
本当は自分の歌を色んな人に聞いてもらいたい。
そんな願いがあるのに、なかなか振り向いてもらえない、
そこで主人公は現実の厳しさを知ります。
描いていた理想の自分との距離に絶望している様子が描かれています。
変わらない明日
変わらない明日がそこにあって
こんな苦しいなら選ばなきゃよかったのかな
よかったのかな
出典: 22/作詞:片桐 作曲:Hakubi
現実の厳しさを知った主人公。
もう、生きることすらやめたくなった日もあったことでしょう。
しかし、明日は変わらずやってきます。
そして、明日になっても理想の自分にはなれない辛さは、主人公には耐え難い辛さだったのではないでしょうか。
そんな辛さから主人公に一つの想いが生まれます。
こんなに辛いなら夢なんて追わなければ良かったのかなと。
強く生きたい自分
真っ直ぐ正しく生きれるように
どんな困難も超えて行けるように
あなたがつけたこの名前を強く握りしめて
出典: 22/作詞:片桐 作曲:Hakubi
主人公は自分の名前が大好きなのでしょう。
本名は公開されていませんが、Hakubiの曲には、時々このような歌詞が登場します。
どれだけ辛い思いをしても、夢を諦めることができなかった主人公。
それは、夢を諦めることは、真っ直ぐ生きることでは無いと言う思いもあったのでしょう。
また、困難に負けずに前にすすめる強さを持った人になりたいという強い気持ちもありました。
主人公が挫けそうになったときには、いつも自分の名前に励まされていたのではないでしょうか。
遠い夢でも追いかけたい
叫んでも叫んでも痛むだけで
泣いても消えてくれない思いばっかで
いつかはわかるよって どこまで歌ったら 届くのかな
強くなれるのかな
出典: 22/作詞:片桐 作曲:Hakubi
どれだけ歌っても人々の心に主人公の歌が届く日はなかなか来ませんでした。
辛くて泣いてもスッキリすることはなく、心にもやもやが残る日々を送っていたのでしょう。
また、自分の周りのバンドが売れていく焦りもあったのかもしれません。
成功したバンドは、主人公に「いつかはわかるよ」といったのでしょうか。
それでもなかなか脚光を浴びる日は訪れません。
それでも主人公は強くなりたいという気持ちで必死に歌い続けました。