「立ち入り禁止」はどんな意味の楽曲?

誰からも助けられず、辛い人生を歩む少女の楽曲「立ち入り禁止」。

まふまふ楽曲の中でも特にハードな内容です。

今回は、その痛烈な世界観に迫っていこうと思います。

「立ち入り禁止」を解釈するにあたって、まずはMVからチェックしていきましょう。

言葉がダイレクトに伝わるダークな印象の映像ですよ!

MVを見ると「立ち入り禁止する」というフレーズで少女が踏切の中に入っていますね。

この光景は一見、身を投げようとしている印象を受けます。

しかし、楽曲「立ち入り禁止」はアルバム「明日色ワールドエンド」の序盤の楽曲。

今回の楽曲を含め、このアルバムには電車をテーマにした映像が複数あり、この少女は後に他のMVにも登場します。

そして、アルバムのラストの曲は「終点」というタイトル。

楽曲「終点」に向けて少女は電車に乗り続けるのではないかと推測されます。

これらの状況から、投身を意味するフレーズではないと解釈しました。

この少女に生き続けてほしいという筆者の個人的な願いもあります。

それでは、第2の解釈で歌詞を読み解いていきましょう。

居場所のない少女の悲しい物語

「立ち入り禁止/まふまふ」の本当の意味とは?心が痛む歌詞を独自解釈!収録CD情報&ギターコードありの画像

「幽霊少女」の意味とは?

幽霊少女は今日も 無口に歩く
興味 愛憎なんての無い脳内
空々の人波
誰の影に隠れて歩く?
懊悩陶酔 愉悦 御来光
立ち入りを禁ず

出典: 立ち入り禁止/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

「幽霊少女」とは存在感を消している自分のこと。

感情を表に出さないよう、目立たないように息をひそめて生活している様子です。

感情を強く抑圧した少女は、自らの好奇心で物事を選択することを諦めています。

おそらく他者からの攻撃や過干渉に対する「防衛本能」が働いた状態ではないでしょうか?

数ある防衛本能の一つとして「感情の抑制」があります。

これ以上辛い思いをすると心が崩壊してしまうから、感覚を鈍くするのです。

おそらくこの少女はとてつもなく辛い経験をし、心を閉ざしてしまったのでしょう。

なぜなら、これ以上心に傷を負うと壊れてしまうから。

懊悩(=悩みもだえること)、陶酔(=うっとりすること)、愉悦(=楽しみ喜ぶこと)、ご来光(=日の出を拝むこと)。

これらを立ち入らせないと言っています。

あらゆる人間らしい感情を排除すること。

すなわち「感情の抑制」を意味するのだと解釈します。

「幽霊少女」を作り出した辛い経験

幽霊少女は今日も 無口に歩く
罵声 暴力 逃避行 嫌いだって
石を投げられ
残念なことに 生まれた時に
この世はボクの居場所を忘れたみたい

出典: 立ち入り禁止/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

少女は日常的に過酷な扱いを受けているみたいですね。

歌詞を見る限り「存在否定に等しい行為」を受けています。

そして生まれてから今もまだ「安息の地」を見つけ出せていないようです。

この「居場所がない感覚」に強い孤独感を感じている印象ですね。

存在意義を見いだせない少女

誰もに否定されて 救いも無くて
自分を呪っている日々
もう ボクはなに?

出典: 立ち入り禁止/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ

何度も自己否定を受けていると、次第に自分を肯定する力が弱くなってしまいます。

これを心理学の用語で「自己肯定力」といいます。

ぺしゃんこになるまで否定され、誰にも救ってもらえない絶望感。

溜まったストレスを他人にも吐き出せず、自分自身に向ける他ない。

最後の行のフレーズでは、存在意義を見出せない状態に陥っています。

少女の深い心理へ目を向ける

心の底では「愛」を求めている

立ち入り禁止
どこまでも出来損ないのこのボクに
優しさを突き撥ねても
消えない愛を縫い付けてください

出典: 立ち入り禁止/作詞:まふまふ 作曲:まふまふ