そっと わずか触れた指先
いくじなし ちゃんと私の目を見て!
あちこち跳ねるこの鼓動
奪ってほしいの

出典: 幸福なわがまま/作詞:みあ 作曲:堀江晶太

私の好きという気持ちはしっかりと決まっているけど、あなたから言ってほしい、という女心を感じます。

私から思いを伝えてもいいんだけど、そこは格好つけさせてよ!というカワイイ一面でもあります。

けれど、君はちゃんと目を合わせてもくれなくて、はぐらかしてしまう。

”いくじなし”の言葉に、切ない女心がにじみ出ています。

”奪ってほしいの”というのは、決して言葉にできない心の叫びであり本心でしょう。

でも、君が目を見られないのは、君もまた私を意識しているからにほかなりません。

君の心もまた、”あちこち跳ねる”のです。

私という存在

君の目に映る透明な世界に
少しずつ私の色塗らせてよ
きらり歪に光る
この恋分け合いたいの

出典: 幸福なわがまま/作詞:みあ 作曲:堀江晶太

”きらり歪(いびつ)に光る”、この一節がこの楽曲の肝になる部分だと思います。

”君の目に映る透明な世界”ということは、彼の中に私という存在がないということ。

彼の中に、少しずつ私という存在を残したい、色を塗りたいという切なる願いです。

ある意味では一方的でわがままな願望だからこそ、”歪”と表現したのでしょう。

でも、それはあくまで私から想像した世界。

本当の彼の目に映る世界には、私という存在=色は見えているのかもしれません。

幸福なわがまま

花の降る春の午後の日差しも
星のこぼれる満天の夜も
ずっと君の隣で眺めていられたら
なんてわがまま叶うかな

出典: 幸福なわがまま/作詞:みあ 作曲:堀江晶太

一人でも十分に素敵なことも、好きな人一緒なら何倍にも光り輝く思い出になります。

満開の桜を愛でる春、花火の下の夏祭り、満月を眺める秋、寒さに身を寄せ合う冬。

すべての季節、すべての瞬間を君の隣で過ごしたい、幸福なわがままそのものです。

そんな願望が、まだ”わがまま”である微妙な距離感切なさを感じさせます。

甘く愛おしい瞬間を夢見る純粋で可愛らしい女心でしょう。

揺れ動く心

君は近くて遠いね
心に触れてみたいのに
失ってしまうのが怖くて
なんだ 案外似たもの同士なんだね

出典: 幸福なわがまま/作詞:みあ 作曲:堀江晶太

恋心を象徴するような歌詞だと思います。

君との仲を進展させたいけど、上手くいかなかったら今の関係さえも壊れてしまうんじゃないか、という不安

進みたい、進めない、を行ったり来たりして揺れ動く心、誰しも経験あるのではないでしょうか。

そして、それは君も同じなんだと知って、少し安心するのです。

包み込む私

ちょっと めそめそ泣かないで
笑っちゃうね 君は優しすぎるのよ
たとえ不条理だとしても そばにいたいよ

出典: 幸福なわがまま/作詞:みあ 作曲:堀江晶太

ここから私の視点が少し変わったように見えます。

君も私と同じように”似た者同士”と分かったから、少し君のことを包み込むような気持ちになります。

きっと私の恋は実を結び、君と親しい仲になれたのでしょう。

だからこそ、少し飛躍した表現をすると、わが子に微笑みかける母親のような温かい視点に見えます。

これまでは同じ目線でドキドキしていたのが、少し君のことを客観的に見ている私。

どんな不条理なことが起きても”そばにいたいよ”、という無償の愛が感じられます。

変化する関係