恋人ともなると、複数のSNSを互いにフォローし合っているはずです。

現代のSNSは、その人のプライベートな状況が垣間見える事が良くあります。

友達の投稿に映っていたり、誰が誰の写真を閲覧しているかが丸わかり。

だからこそ、相手の好きな恋人像や恋愛像すらも読み取れてしまうのです。

未練が強く残る主人公は、必死に相手のSNSをチェックするたびに落ち込んでいく。

自分とは全く異なるタイプの人が相手と一緒になっているのです。

そして歌詞4行目に「クズ」とやや威圧的な言葉を用いている点にも注目です。

見知らぬ人にこのような言葉を使っている主人公。

ここから、相手に夢中になって周りが見えていない必死な心情が見えてくるのです。

あなたには自分しかいない」という半ば宗教的な観念に自分自身で憑りつかれてしまっています。

独白

嫉妬の波にのまれる

君のことをそいつは幸せにするの?
君のことを心から愛してくれるの?
君の心は本当は泣いてるんじゃないの?
君のことなんてもうどうでもいいけど

出典: 未練/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽

3行にわたって相手に一方的に語り掛けているリリックが特徴的なフレーズ。

先ほどもいった主人公の焦燥感が更にリアルに描かれていることが読み取れます。

自分が相手の1番では無くなったことに強い憤りを感じているのです。

上記でも「クズ」という言い回しがありましたが、ここでは「こいつ」という表現。

自分の機嫌が悪くなれば、言葉遣いも豹変する主人公。

これらを通して歌詞の4行目の心情を解釈すれば、全てだという答えに繋がります。

相手のことを考えなくなるどころか、付き合っていた時より深く意識するようになっているのでしょう。

嫉妬を始めとする負の感情が持っているパワーは計り知れません。

しかし、依存して主人公のこのようなパーソナリティが見えているわけではないと解釈します。

依存をするようになったことで、本性が現れたのではないでしょうか。

届かない想い

前までは電話して話していたのに
気づいたら君のメッセージ待っていたり
お互い変わったね あの日から色々
未だ君以上に好きになれない1人も

出典: 未練/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽

恋人になると、文章のメッセージより電話をする機会の方が多くなることもあります。

相手との連絡が途切れることなど滅多になく、常に生活の一部となっていたのです。

そんな幸せとも形容できる生活から一変し、今ではなかなか返ってこないメッセージを待っている日々。

相手も自分も、当時は見せないようにしていた性格が、今ではあわらになっているのでしょう。

その正体こそが、これまでの歌詞で述べられてきたどす黒い行動なのです。

そうして相手が自分からどんどんと遠のいていく一方で、あの日から変われていないのは自分自身

どれだけ心が傷ついても嫉妬自己嫌悪に陥っても、相手を好きなままなのは変わらない。

むしろ変えられないといっても過言ではないといえるのではないでしょうか。

半ば病的な依存症に陥っている主人公の心情が吐露されているのです。

依存した愛の先で

やめられない

やっともう君とはバイバイさ
なのに今日もまた君を考えてた
やっともう君とはバイバイさ
なのにまた君のSNSのぞいてるの

出典: 未練/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽

発する言葉とは裏腹の行動をしてしまう自分自身。

考えてはいけないと思えば思うほど、相手の動きに意識が向いてしまうのです。

それは昨日も今日も、何日先も続いていくのでしょう。

自分の意思では止められない状況こそが、「依存」の特徴です。

アルコール依存症やスマホ依存症などもそのような心理的背景があるのです。

誰も振り向きはしない

やっともう君への愛は捨てた
リサイクルマークを見落としたみたい
やっともう君への愛は捨てた
そう言い聞かせてもう何年が過ぎた?

出典: 未練/作詞:堂村璃羽 作曲:堂村璃羽

これまでに言い聞かせていると解釈してきたように、主人公の必死さが描かれています。

歌詞の4行目に描かれている「何年」という言葉から、相手への重い愛を感じます。

1度も諦めることなく、ずっと届かない想いを訴えてきたことのでしょう。

今となっては顔を合わせることも無ければ、連絡が返ってくることもない。

それでも、あの日の未練のままに相手を想い続けていくのです。

終わりに