改めて、ももいろクローバーZって?
ライブパフォーマンスで見せる“週末ヒロイン”
アイドルらしからぬパワフルなライブパフォーマンス、そしてジャンルを超えた活動などでファンから愛されている“ももクロ”こと、ももいろクローバーZ。
水着などの露出度の高いコスチュームを着ることもなければ、最近のアイドルではおなじみになっている握手会などの接触系イベントも実施しないというのが特徴的ですが、そのパワフルなライブには定評があり、2014年と2016年にはライブの年間観客動員数が60万人を超えました。
今でこそ、大人気アイドルグループとなったももクロですが、「ももいろクローバー」としてデビューした08年当時はほとんど名前が知られていない無名のアイドルグループのひとつでした。
結成当時はメンバー全員が学生だったため、土日を中心にパフォーマンスを行っていましたが、これが現在も使われるキャッチフレーズ「週末ヒロイン」の由来になっています。
毎週のようにワゴン車で車中泊を繰り返しながら、全国のイベント会場で地道に活動を続けるというのは当時10代の少女だった彼女たちには酷に思えますが、それでもひたむきに頑張った彼女たちにはある夢がありました。
それは「NHK紅白歌合戦」への出場。そして日本武道館でのライブ開催。どちらもミュージシャンなら誰もが憧れる夢舞台です。まさにももクロは夢見る少女たちがひたむきに頑張り続けたアイドルと言えるでしょう。
そんなももクロに転機が訪れたのは2010年。メジャー・デビューシングル「行くぜっ!怪盗少女」をリリースしたことからでした。このシングル発売後にレコード会社をキングレコードに替え、楽曲政策の指揮を宮本純乃介が担当するようになりました。
この頃から、ももクロの楽曲にロックの要素が加わり、ファンの認知度が急上昇。年末には初となるホールコンサート「ももいろクリスマスin日本青年館~脱皮:DAPPI~」を開催しました。
しかし、翌11年にまたも転機が。今度は長年、ももクロを支えてきたサブリーダーの早見あかりが4月でグループを脱退。もともと志望していた女優への道を歩みたいという理由でしたが、精神的支柱である早見あかりの脱退はメンバー内に衝撃が走りました。
悲しみに打ちひしがれる間もなく、残ったメンバーたちは奮起。この時にグループ名を「ももいろクローバー」から現在の「ももいろクローバーZ」に変更。今まで以上にライブにも精力的に行うようになります。
そして、数多くのライブをこなしてきたことでメンバーのパフォーマンスも徐々に向上し、根強いファンが増えていきました。
そんなももクロが世間的に認知されたのは12年。前年に発売された1stアルバムの「バトル アンド ロマンス」が全国のCDショップ店員の投票で決まる第4回CDショップ大賞という賞の中で“最も売りたい作品”として大賞に選ばれたのを皮切りに、テレビ出演が増加していきました。
そうしてこの年にリリースした「サラバ、愛しき悲しみたちよ」が派手なライブパフォーマンスとともに話題になり、結成以来の念願であるNHK紅白歌合戦に出場を果たしました。
これ以来、ももクロは多くの音楽ファンから注目されるようになり、さらにロックフェスなどの当時、アイドルはあまり参加しないロックライブにも精力的に参戦したことで、ロックミュージシャン、ロックファンからも高い支持を受けることになりました。
また、「モノノフ」と呼ばれるももクロのファンの多くは40~50代の働き盛りの世代の男性や女性ファンが多いのも特徴で、応援ソングのテイストが強い曲調も相まって、スポーツ選手でもファンが多いことでも知られています。
中でもスポーツ界屈指の“モノノフ”と言われているのがニューヨーク・ヤンキースの田中将大。
楽天ゴールデンイーグルス在籍時代からももクロメンバーのカラーで染めたグローブを練習で使用したり、自身の登場曲に起用したりと熱狂的なファンであることが知られています。
実際、ももクロとの交流も多く、数多くのテレビ番組に共演しています。 そんな誰もが愛せるももクロの楽曲の中から人気曲を紹介していきます。
ももクロおすすめソングその1:行くぜっ!怪盗少女
ももクロのデビュー曲にして、カラオケでも定番となっている名曲です。
しかし、リリース直後はインディーズ時代と曲の雰囲気が異なることが原因でさほど人気が出ませんでした。
この歌が知られるようになったキッカケは「ももいろクローバーZ」に改名した11年からでした。大胆な転調が話題になり、いつしか「ももクロの代表曲」とまで評されるようになります。
ももクロおすすめソングその2:サラバ、愛しき悲しみたちよ
実はこの楽曲の作曲・編曲を担当したのはあの布袋寅泰。布袋寅泰のギターとももクロの歌声が見事にマッチしています。
ちなみに人間の「光と闇」をテーマにしたこの曲は同事務所の先輩である北川景子の主演ドラマ「悪夢ちゃん」の主題歌としても起用されたことでも知らています。
ももクロおすすめソングその3:走れ!
ライブ等でも大人気のこの楽曲。実はメジャー・デビューシングルの「行くぜっ!怪盗少女」のC/Wとして挿入されていました。
「笑顔」や「踊るココロ」を人に届けるため、自らの「体」に対して“走れ!”と鼓舞するようなフレーズが印象深いこの曲は映画「モテキ」の挿入歌としても起用されて一躍ブレイク。
森山未來が演じた主人公の藤本幸世のセリフ「弱ってるときに聴くアイドルソングは麻薬です」というフレーズとともに知られるようになりました。
また、この楽曲はプロ野球選手が入場曲として起用することも多く、田中将大も楽天在籍時に一時期使用していたことでも知られています。