キャッチ―で端的であること
話し言葉や文章と同じく、ダラダラと長い歌詞でリスナーの心をつかむことは不可能です。文章ならまだしも、その場から消えて形の残らない「音声」という形で表現するときに長いフレーズを使われても意味不明になるだけです。
各株式会社を例にすれば、その会社の目指すべき姿やミッション、目標などをスローガン的にまとめたものを「社是」といいます。これが端的でわかりやすい会社というのは、顧客としての私たちから見ても信用できそうな気がします。しかし、長い文章で何を言っているかよくわからない社是を掲げているところは、やはりあか抜けていなくて経営状態もあまり良くなさそうな印象を受けますよね。
このように「社是」や「歌詞の言葉選び」などといった細部まで気を配った会社やアーティストが、確実に顧客からの信頼と人気をあげロングスパンで活動ができるということがいえます。
しかし、このようなキャッチ―さとシンプルさにたどり着くには、試行錯誤というプロセス抜きには成り立ちません。したがって、アーティストや楽曲が長く愛されるには、対価以上につぎこむ時間と労力が不可欠といえましょう。
誠実さはリスナーにはきちんと伝わります。それゆえ、ズボラをした創作品はわかる方にはすぐバレてしまいます。
つまり、ズボラや妥協がない作品こそが長く愛されるのだともいうことができますね。
多くの人が経験のあること
上記のポイントに加えて、「多くの人が経験、もしくは知っていること」を取り扱った作品はヒットする傾向にありますね。
たとえば「学校」を題材にしたものであれば、日本は教育を受けることが国民の義務でありますから、多くの人が共感を得ることができます。
それと同じく、「愛」というのも多くの方に染み込むテーマだといえるでしょう。一辺倒に「愛は素晴らしいもの」と謳う世間や常識的な認識は正直如何なものかとは思いますが、愛し愛されることは人間同士がわかり合うために重要なファクターのひとつであることは間違いないでしょう。
具体的なシチュエーションはミュージシャンの頭の中で設定されてはいるものの、その歌詞は全てをさらけ出さない作品こそが音楽の前提をふまえている作品だといえます。つまり、リスナーがその歌詞からあれこれ思考&想像するシチュエーションが、リスナー自身の経験や知識と一致したときに「良曲」となるのではないでしょうか。
「ラブ・ストーリーは突然に」まとめ
以上、小田和正さんの「ラブ・ストーリーは突然に」の概要と歌詞をご覧いただきました。
シンプルで爽やかなラブソングではあるものの、練りに練られたことがよくわかる傑作ですね。洗練は試行錯誤から生まれる、ということでしょう。
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