もう一度 あの声が
もう一度 あの笑顔に会いたい
出典: あいことば/作詞:絢香 作曲:絢香
映画の中で、脳死状態の娘を救ったのは「機械」です。
娘が生前と同じ笑顔で、声で笑いかけてくれた瞬間の喜びは、計り知れません。
しかし娘は「生かされて」います。母親がどう思おうと周囲の目から見れば娘は死んでいる存在です。
笑顔も声も、娘のものではない。そう言われているようなものでしょう。
「もう一度会いたい」のは、元気だった頃の娘の声であり、笑顔なのです。
本当の幸せとは
どうしてなの 幾千の生きる意味
神様に 祈る度 繋がってく
出典: あいことば/作詞:絢香 作曲:絢香
娘の笑顔を見るために生きる。娘を幸せにするために生きる。自分自身の幸せのために生きる。
母親には抱えきれないほど沢山の「生きる意味」があります。
娘が死んでしまったら幸せになれないですし、娘の笑顔も見れません。娘に幸せは訪れません。
だから娘を死なせないでください、と母親は神に祈ります。
しかしその度に、考えてしまうのです。
機械に繋がれた娘は本当に幸せなのか。娘が幸せになれずに自分が幸せになれるのか。
正解だと思っていた「生きる意味」に疑問符を投げかけるように、別の「生きる意味」が連なっていきます。
心の中で生きるあなたの幸せを願う
私はあなたと
ずっとずっと 明日の希望を
願い続けます
例え何があっても
出典: あいことば/作詞:絢香 作曲:絢香
朝が来たら、娘は目覚めているかもしれない。機械を外しても生きられる身体になっているかもしれない。
母親は娘の存在を感じながら、毎日「明日」を願っています。
もしも娘の命が終わってしまっても、明日という日に娘がいる光景を思い浮かべるのでしょう。
仮初の明日でも、娘にとって幸せな一日にしてあげたいのです。
二人だけのひみつのあいことば
ずっとずっと きっと希望を
ずっとずっと きっと未来を
ずっとずっと きっと明日を
透明な あいことば
出典: あいことば/作詞:絢香 作曲:絢香
「希望を」「未来を」「明日を」の後には何も続きません。
きっとここに続くのが透明な合言葉なのでしょう。
脳死状態の娘に、絶対に明日を「見せてあげるからね」と言ったのかもしれません。
絶対に希望を「捨てないからね」と言ったのかもしれません。
死んでしまった娘に、必ず未来を「叶えてあげるからね」と言ったのかもしれません。
母と娘だけが知る透明な合言葉。
私には推測しかできません。
愛おしい人を思いながら聴きたい『あいことば』
機械に繋がれて息をしている娘を、生きていると思いたい母の「思い込み」。
死んでいるのだと理解させたい周囲の言葉は、届かないのでしょう。
しかし母親は頭のどこかで、死を受け入れなければならないと感じています。
その準備を、少しずつ整えています。
準備をしながら、これから先娘のために何をしてあげられるのか、必死に考えているのです。
重い足を引きずりながらでも現実に向かっていく母親の姿が描かれている『あいことば』。
映画や原作に触れたら、二人の透明な合言葉を知ることができるかもしれませんね!
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【Why/絢香】心を閉ざしそうになった時に聴きたい名曲の歌詞を紹介!YouTube動画をチェック!! - 音楽メディアOTOKAKE(オトカケ)
2007年9月に絢香6作目のシングルとして発売された「Why」。この曲は特に歌詞を噛み締めるように聴くのがおすすめで、心を閉ざしそうになった時や落ち込んだ時に聴きたい名曲です。その歌詞はいったいどのような内容なのでしょうか。YouTube動画と合わせてご紹介します。