ROOKiEZ is PUNK'D『コンプリケイション』の歌詞に迫る!
骨太サウンドと硬派なルックスのROOKiEZ is PUNK'D。
曲がひと度流れ出せば、聴こえてくるのは美しいメロディラインと切なさ寄りのエモーション、というギャップが魅力です。
今回は彼らのメジャーデビューを飾った一曲『コンプリケイション』をご紹介します!
ボーカルのハーモニーも上質!
歌詞のひと言ひと言をゆっくりと丁寧に送り出している冒頭が印象的ですね。
そして華麗に韻を踏み続ける2番のラップも必聴です!
ROOKiEZ is PUNK'Dはデビュー曲にどんな思いを込めたのでしょうか。
『コンプリケイション』の歌詞を解説します!
過去・現在・未来、どれを見ればいい?
空がどんよりとして湿った風が吹いてきたら、皆さんならどうしますか?
雨が降る前に家に帰ろうと早足になったり、折り畳み傘がカバンに入っていることを確認して安心したり。
あるいは「降ってきたらあの店に入って雨宿りしよう」なんて計画を立てる方もいるでしょう。
できることはやり尽くした
泣き出しそうな表情(かお)で憂う低い空
する事もなく時間(とき)を削る
吐き出す場のない思いを飲み込んで
苛立ち混じりの唾を吐く
出典: コンプリケイション/作詞:HINNOSUKE 作曲:ROOKiEZ is PUNK'D
雨が降るという近い未来が見えていれば、大抵の方はそれに対応した行動を取ります。
しかしこの曲の主人公は、近い未来が見えているのに動こうとはしません。
「する事」が分からないわけではないようですから、動くつもりがないという解釈ができます。
何か大きな壁にぶつかったとき、このままではいけないと思うのは当たり前のことです。
しかしそれを乗り越えようともがいてもうまくいかなければ、もう何もしたくないと感じるでしょう。
とはいえ、時間が解決してくれるというような楽観視もしていません。
何もできないことに納得がいかず、何もできない無力に腹を立てている様子が描かれています。
見るべき場所は足元
何もかもが壊れそうな不安抱いて明日に怯え
明後日ばっか見てたって答えは出ないことだってわかってる
出典: コンプリケイション/作詞:HINNOSUKE 作曲:ROOKiEZ is PUNK'D
壁を乗り越えられないという現状をポジティブに解釈すると、現状が維持できているということになります。
しかしそれに甘んじていたらどうなるか。主人公はネガティブなイメージを抱えています。
今はただ壁が立っているだけでも、明日になったらそれが倒れてきて、「今」をめちゃくちゃにしてしまうかもしれません。
壁に潰されないためにはどうすればいいのでしょうか。
残念ながら、未来を見ても解決策は見つかりません。
もし主人公が未来を見る能力を持っていて、近い将来に壁がなくなることが分かっても、なぜなくなったのかは分からないのです。
壁に潰されないためには、今、目の前の壁を壊すか、乗り越えるしかありません。
つまり「今」から逃げていては何も解決しないのです。
暗闇を打ち破るものとは
限りなく広がる真っ白な明日に何を描く
現実が染め行く真っ暗な明日に何を描く
もがき輝く
出典: コンプリケイション/作詞:HINNOSUKE 作曲:ROOKiEZ is PUNK'D
この曲のサビであり、メインテーマとなるセクションです。
ここでは2つの全く異なる光景が歌われています。
- 白い明日
- 暗い明日
白はポジティブなイメージです。
誰も踏み入れていない雪に足跡をつける姿を想像してください。とてもウキウキしませんか?
雪の上にどんな足跡をつけようが、それは当人の自由です。
足跡の上からペンキを垂らしても、後ろ向きの足跡をつけても良いのです。
未来は自分で決めるものだという意味ですね。
一方、何もできない無力な「今」は、手を施さなければずっと続きます。
新雪が広がる明るい場所を黒い影で覆っていく「今」。
どんなに懸命に足跡をつけても、目に見えなくなってしまうでしょう。
しかし足跡がつかないからといってすぐに諦めてしまわず、懸命に繰り返していたらどうなるのか。
ひたむきな姿は何よりも美しく光り輝いて、影に覆われていた雪原を明るく染めてくれるのではないでしょうか。