「juice」に描かれた世界感
儚い言葉の数々
歌い手として知られる夏代孝明によるソロプロジェクト、夏と彗星。
今回は2019年6月7日に公開された楽曲「juice」をピックアップします。
メロウでオシャレなサウンドは聴き心地抜群。
虚しさ漂う歌詞が儚い世界感を生み出しています。
テーマでもある「ジュース」にはどんな意味が込められているのでしょうか?
一体どんな味がするのでしょうか?
歌詞に込められた意味を一緒に紐解いていきましょう。
MVをチェック
意味深な展開に注目
深く帽子をかぶった主人公の目線は下を向いていますね。
ここからも憂鬱な気持ちが読み取れます。
そして、自販機で買って飲み干したジュース。
雨に打たれながら歩き続けていた主人公は、不意に姿を消してしまいます。
そこで他の女性が登場し、主人公の帽子をかぶり、煙草や同じジュースを飲み干す…。
この演出にはどんな意味があるのでしょうか?
では、歌詞の意味からも考察を進めていきます。
主人公が抱える「虚しさ」とは
どうして「終わり」を迎えた?
言葉なんてどうしようもないね?
不透明にできてるんだって?
君が誓ってくれた永遠は今日で終わりを告げてしまいました
君をただの嘘つきに 変えてしまった僕が憎らしくて
嗤いながら淀みきった 空を見上げていた
出典: juice/作詞:夏代孝明 作曲:夏代孝明
「君」とはMVで登場した女性のことでしょう。
2人は恋人関係だったのかもしれません。
ずっと一緒にいよう。
いつか結婚しよう。
そんな誓いを交わし合っていたことが推測できます。
でもその誓いに終止符が打たれたようです。
なぜでしょうか?
原因は主人公にあると歌われています。
ここからは2人が恋人でなくなったことがうかがえますが、背景が明確に歌われていません。
自分の不甲斐なさに浸っている主人公が、とても印象的ですね。
読み進めていきましょう。
ジュースはどんな味だった?
あの日も同じような雨が降っていたんだ
湿気で火がつかなくなったマルボロを見ていた
いつか叶うだなんて無責任な
夢をカップに注いで飲んだ
不愉快な甘いjuice
出典: juice/作詞:夏代孝明 作曲:夏代孝明
「あの日」とは2人の誓いが叶わなくなった日のことでしょう。
主人公がどのように過ごしていたのか、詳細が描写されています。
先ほどMVで見た光景と一致しますね。
雨により火がつけられない煙草。
ここからは、煙草を吸いたいのに吸えないイライラが読み取れます。
主人公は何か夢を追っていたようです。
君との誓いには「いつか夢を叶えて一緒に生きる」という意味もあったのかもしれません。
ですが、現実はそう甘くはありませんでした。
自分の詰めの甘さをジュースの味に例えています。
不愉快なのは、応援してくれる人の分まで背負った夢に破れそうだからでしょう。