舞台はおしゃれな雰囲気漂う部屋
何気ない日常を流すMV
オールドフィルムのMVの舞台はとある部屋。おしゃれなソファなどが並びMVはこのソファを中心に撮影されています。
歌い出しはCLOUDY CRYのボーカルAnokaがソファに座ってテレビの電源をつけた瞬間。
まるで自分のMVを見るようにテレビの電源をつけていますね。
オールドフィルムのMVの映像は、休日を部屋で過ごすような何気ない日常です。
それなのに感じられるのは失恋した時のような哀愁。
日常の映像を流しているのになぜ切ない気持ちになるのでしょうか。
そこには、随所に出てくる細かい描写が影響しているのです。
ブロックアイスとオレンジジュース
つまんない映画はすぐに観るの止めて
オレンジジュースをひと口で飲み干した
ブロックアイスが溶けてグラスで混ざって
もう涙の味みたいだ
出典: オールドフィルム/作詞:40mP 作曲:40mP
このMVに時折出てくるオレンジジュースとブロックアイス。
最初と中盤に登場するのですが、このオレンジジュースが哀愁を感じるポイントの一つ目です。
なぜ、オレンジジュースから哀愁を感じることができるのか。
それは、オレンジジュースをロックグラスとウイスキーと想像してみてください。
よくドラマ等で見たことがあると思いますが、失恋した人がバーで飲み過ぎて酔い潰れるシーン。
あの時のロッググラスとウイスキーがオレンジジュースに重なるので哀愁を感じさせるのでしょう。
また、歌詞に登場する「涙の味」とグラスについている水滴はリンクしています。
そのため、曲が奏でる切ない雰囲気をより一層引き立たせてくれます。
MVでは所々で出てくるオレンジジュースとブロックアイスですが劇中のアクセントとなり映像に奥行きが出ているのですね。
ギターの弾き語りは魂のシャウト
感情が伝わるポイントはMVで最も盛り上がる場面
このMVの要注目ポイントはソファの上でAnokaがギターを弾き語るシーンです。
このシーンはオールドフィルムのMVで何度か登場する場面。
ぜひチェックして欲しいポイントなのでしっかり解説していきたいと思います。
こんな恋じゃハッピーエンドなんて
夢見ることもできないけど
出典: オールドフィルム/作詞:40mP 作曲:40mP
サビの前のBメロから歌詞は一気に恋愛方向へシフトしていきます。
そこでMVはAnokaがギターを弾くシーンへ移動。
そこからはギターの弾き語りがメインになっていくのですが、この曲が描く恋模様をギターを使って叫び続けています。
ただギターを弾くだけではなく、歌声とミックスさせて気持ちを乗せて歌っている
それこそがこのMVの真髄といえるのです。
アップと引きの遠近法で見せる変化が見る方を入り込ませる
このMVにはギターを弾くシーンで、アップで撮っている時と引きで撮っている時があります。
横からのアングルでアップの時はAnokaの顔のみ、引きの時は全身を写すようにしています。
なぜ、アップの時は顔だけを撮り引きの時は全身を撮っているのでしょうか。
ギターを弾くシーンに注目させたいのなら、引きの撮影だけでいいはずです。
一体この違いは何なのか。その答えは歌詞に存在します。
交わした約束はきっと有耶無耶になって
手帳に書き込むことさえ嫌になって
もらったものは丁寧に箱へしまった
望むほどに失ってゆくから
出典: オールドフィルム/作詞:40mP 作曲:40mP
こちらはAメロ部分ですが、サビ前の時MVでは引きで撮っています。
引きで撮っているとういうことは、顔だけでなく全身を写しているということですね。
まるではじめから知ってたように
平気な顔して「大丈夫よ」と笑った
そして君はまた思うんでしょ?
強がった私を「強い人だ」なんて
出典: オールドフィルム/作詞:40mP 作曲:40mP
一方こちらはサビですが、この時は横顔をメインにしたアップの撮影で迫力があります。
つまり、このMVで使っているアップの撮影と引きの撮影は歌に対する感情の度合いによって変えているということ。
この方法によって見る方もこのMVが作り出す世界観にのめり込んでしまい感情移入してしまいます。
このMVを撮影した人はそれを狙ってこの撮影方法を選んだのではないでしょうか。