1行目のフレーズをそのまま解釈すると「コップに本性を注ぐ」という意味。

実際にコップに注がれていたのはお酒か何かでしょうか?

一般的に男女で飲む場面といえば、仲を深めるなどの目的がありますね。

そしてMVにも演出されている、色っぽい真っ赤なルージュ。

これも嘘を孕んでいるといっていますね。

この二人の男女のやりとりには、様々な「思惑」が絡んでいたようです。

MVではありふれたカップルの様子が映し出されていましたね。

しかし、深いところでは心の距離や駆け引きがあったのかもしれません。

寂しい関係性

【DAOKO/同じ夜】歌詞の意味を解釈!スイートルームで何があった?!悲しい”きみ”との関係を紐解くの画像

たとえスイートルームで
煙に巻かれたって
都合のいいように
Good night Good bye

出典: 同じ夜/作詞:DAOKO、櫻木大悟 作曲:DAOKO、D.A.N.

ここで出てくるのが「男女でスイートルームで過ごす」というシチュエーション。

豪華な部屋で一緒に過ごせるのは、とてもロマンチックですね。

ここで「煙を巻かれる」と表現しています。

これは「言いくるめられる」とか「はぐらかされる」という意味の言葉ですね。

ロマンチックな状況で、都合が良いようにはぐらかされてしまう。

なんだか寂しい男女の関わり方な印象を受けますね。

思惑が先走っていて、心が通い合っていないような感じがします。

「毒」がまわり始める

「きみ」の猛毒に苦しむ

'Cause I'm already known
同じ夜だ
悪い夢でも
きみに逢えるなら
与えられた匙
皮肉なのでしょう
甘すぎる猛毒
'Cause I'm already known

出典: 同じ夜/作詞:DAOKO、櫻木大悟 作曲:DAOKO、D.A.N.

ここで最初に出てきた英語の「既に知っている」というフレーズの意味が見えてきました。

「きみ」のことを想う主人公は都合のいい相手。

「きみ」は主人公のことを表面的にしか見ていないのです。

それでも、「きみ」への愛情があるから関わりを止めることができない。

何度も繰り返し会ってしまう。

この状況に主人公は「猛毒」を味わったように苦しんでいるようですね。

心の軋む音が聞こえるような気がします。

胸の痛む瞬間

たとえスイートルームで
吐き捨てられたって
月明かりのもとへ
手を引こう

出典: 同じ夜/作詞:DAOKO、櫻木大悟 作曲:DAOKO、D.A.N.

「吐き捨てる」とは、ネガティブな言葉を一方的にぶつける行為。

ここでも、主人公の胸が痛む瞬間が想像できます。

また後半の「月」という表現にはどんな意味があるのでしょうか?

かつて、夏目漱石が「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」と訳したお話しがあります。

日本人の奥ゆかしい愛情表現を表現したのだといわれています。

月には恋愛に関するエピソードが数多くあるのです。

そんな月明かりへ導くということは、めげずに愛を伝えようとするということ。

傷つきながらも一途な主人公の心情がうかがえます。

次々と溢れだす苦しい胸の内

【DAOKO/同じ夜】歌詞の意味を解釈!スイートルームで何があった?!悲しい”きみ”との関係を紐解くの画像

Your poison spoils me
伝えたい思いは罪
Your poison spoils me
くだらないのに とべやしないのに
Your poison spoils me
不甲斐ないこの身は巣に
Your poison spoils me
漂う湯気の間に間に

出典: 同じ夜/作詞:DAOKO、櫻木大悟 作曲:DAOKO、D.A.N.

繰り返される英語の部分の内容が気になりますね。

「あなたの毒が私をダメにする 」という意味合いだと思われます。

「猛毒が体を巡りショックを起こしている状態」を比喩で用いているのでしょう。

それだけ主人公の精神状態は「虫の息」ということ。

素直に気持ちを表現することが許されない。

自由に羽ばたきたいのにそれができない。

そんな自分にやるせない気持ちが湧いている。

ボロボロになった自分の中を虫が巣くっているよう。

胸の内を次々と吐露していきます。

MVでのDAOKOの眼差しは、この主人公に向けたものだったのですね。

最後の「湯気」という表現は最初に出てきた「モザイク」と同じ意味でしょう。

直視したくない事実とは、愛する相手との心の溝だったのです。

虚しくてやるせない世界観の楽曲でしたね。

最後に

【DAOKO/同じ夜】歌詞の意味を解釈!スイートルームで何があった?!悲しい”きみ”との関係を紐解くの画像

一見ありふれたカップルに見える男女の複雑なすれ違いを描いた「同じ夜」はいかがでしたか?

DAOKOの書く歌詞はいつも文学的で、繊細な世界観が込められていると思います。

彼女の感受性の強さが言葉の節々からにじみ出ていて素敵ですね。

特に今回はヘッドフォンとのコラボということで、繊細なサウンドにこだわっているのかもしれません。

メジャーデビュー後には減っていたウィスパー感が前面に出ている印象も受けますね。

これも、ヘッドフォンで聞くことを意識しているのかもしれません。

筆者も試しにレコーディング用のヘッドフォンで聞いてみたのですが、なかなかの聞きごたえでしたよ!

包み込むような重低音の間を、きゅるきゅるとしたシンセの高音やベース音が突き出て、透き通る声が溶け込みます。

計算され尽くしたシンプルな構成という印象。

後半に向けて音の厚みが増していくのが素晴らしいです。

ぜひ皆様もお手持ちのヘッドフォンで試してみてください♪