子供の自分は“光”、大人の自分は“影”
「夢を叶えた自分」に会いたい
夏が来る 影が立つ あなたに会いたい
見つけたのはいちばん星
明日も晴れるかな
出典: パプリカ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
夏とはオリンピックを表しているのではないでしょうか。
そして影とは表彰台に立つ人影のこと。
その影が最も高く昇り、一番輝いている場所。
1位であり、金メダルを首にかけた人です。
Foorin版は、その場所に立つことができた「夢を叶えた自分」に会いたいと願っているのだと解釈できます。
夏になるたびに、年を重ねるたびに、その思いは強くなっていく。
そんな必死さと決意を感じます。
「夢を叶えた自分」に会いたかった
では米津が歌うとどうか。
Aメロと同様に記憶を手繰り寄せながら、「夢を叶えたかった…」と後悔をしているように受け取れます。
Foorin版では「夢を叶えたいと願う自分」が描かれていました。
それに対して「夢を叶えることができなかった自分」として描かれているのです。
子供の頃が一番輝いていたのではないか…。
心は苛まれ、影で満ちていきます。
「パプリカ」の意味
パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
出典: パプリカ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
サビではタイトルである「パプリカ」が登場。
パプリカといえば赤や黄、緑に橙と、その実を色とりどりに染めることで有名な野菜です。
これはオリンピックという舞台に集まる、多様な国や人種ということを表しているのではないでしょうか。
その舞台で、色鮮やかな大輪の花を咲かせるのだと歌っているのです。
主人公にも夢を抱くきっかけとなった出来事や選手がいることでしょう。
2行目は主人公がそうだったように、オリンピックを目指したいと子供に思われるような選手になりたい。
そんな思いが込められているのです。
未来へ立てた誓い
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ
出典: パプリカ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
一生懸命に打ち込める夢を持てたことを祝福しよう、と歌っています。
Foorin版は未来の自分に対して「これから頑張っていくからね」と、誓いを立てているようかのようです。
新しい夢を見つけたい
そして米津版の場合。
大人になった今、子供の頃に抱いていた夢は叶えることができませんでした。
しかし昔の自分を思い出したことで、また頑張ろうと立ち直れたのでしょう。
あの頃とは違うかもしれないけれど、また新しい夢を見つけたい。
そうすることができれば今までの人生を肯定できると、再び歩もうとする姿を描いているのです。
味わう挫折
諦めるわけにはいかない
雨に燻り 月は陰り
木陰で泣いていたのは誰
一人一人 慰めるように
誰かが読んでいる
出典: パプリカ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師