晴れの日の鮮やかな情景を描いていた1番とは対照的に、2番では雨の日の暗い雰囲気が漂っています。
この歌詞は“挫折”を表しているのではないでしょうか。
いくら夢を持つことができ、頑張っていたとても、何もかもが順風満帆にいくわけではありません。
ときには思い悩むこともあるでしょう。
そんな主人公に励ましの言葉をかけてくれる人がいたようです。
Foorin版は「こんなことで諦めていいのか?」と自分自身を鼓舞しているようにも受け取れます。
現実を見なければならない
米津が歌うと「現実をよく見ろよ」と諭されているかのような空気を感じます。
新しい夢を見つけることができても、子供の頃のように何もかもをそっちのけで頑張ることは難しいでしょう。
会社や家庭での立場、社会人としての責任も生まれ、取り巻く環境が大きく変わるからです。
夢を見つけたとしても、スタートラインにすら立てない。
葛藤する心情が伝わってきます。
挫折をどうやって乗り越えるか
積み重ねてきた努力を糧に
喜びを数えたら あなたでいっぱい
帰り道を照らしたのは
思い出のかげぼうし
出典: パプリカ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
これまで積み重ねてきた努力を糧に、また頑張っていく。
Foorin版からは、そんな思いが伝わってきます。
挫折をした日には、いくら励ましの言葉をもらっても、気持ちは落ち込んだままでしょう。
そんなときこそ、これまでの日々を振り返りたくなるものです。
オリンピックを目指している主人公であれば、これまでにも試合や大会で努力が実った瞬間があることでしょう。
その瞬間を思い出しながら、また頑張ろうとしている様子が浮かんできます。
子供の頃の記憶を励みに
米津版は、子供の頃の自分に励まされているように感じます。
挫折をした上に「現実をよく見ろよ」とまで言われれば、誰もが肩を落とすでしょう。
ガムシャラだった自分を思い出し「明日からまた頑張ろう」と切り替えているのではないでしょうか。
涙の数だけ夢に近づける
パプリカ 花が咲いたら
晴れた空に種を蒔こう
ハレルヤ 夢を描いたなら
心遊ばせあなたにとどけ
出典: パプリカ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
挫折からの立ち上がりを描いたことで、夢に向けて頑張っていく人へのメッセージ性が強くなりました。
どれだけ涙を流しても、その涙が養分となって茎は伸び、夢へと近づいていく。
2番のサビも1番と同じ歌詞ではありますが、また違ったメッセージを感じます。
それぞれの目指す未来
「夢を叶えた自分」に会いに行く
会いに行くよ 並木を抜けて
歌を歌って
手にはいっぱいの 花を抱えて
らるらりら
出典: パプリカ/作詞:米津玄師 作曲:米津玄師
たくさんの障壁や挫折を乗り越えながら進み続けていくという意思を表示しているのではないでしょうか。
「夢を叶えた自分」に、オリンピックで表彰台に立つ自分に、花束を渡しに行くのだと。
Foorin版は、そんな強い決意を感じます。