いつだって僕は君の髪を撫でたいと思った
出典: https://twitter.com/imfk_2905/status/829947399040692224
米津玄師の曲の特徴に、『僕』と『君』の2人しか登場しない曲が多いことが挙げられます。
「ミラージュソング」もこの特徴に当てはまり、『僕』は『君』のことを常に考えているのではないか、と思うほど『君』について考えています。
「ミラージュソング」のミラージュ、蜃気楼というのは、この『僕』が考える『君』とのことについてを指しています。
一緒に過ごせば過ごすほど、過去の君を触りたくなる
共に過ごせば過ごすほど、過去の時間が長くなっていきます。
過ぎ去ってしまった日々は二度と戻らないと知った
あの日の記憶も 遠く触らないまま
出典: https://twitter.com/Kenshi_Yonezu_R/status/911517586617073664
今一緒にいる時間は確かに楽しくて幸せなはずなのに、過去の楽しかった時間を思い出して、もう一度戻れたらと思うことはよくありますよね。
未来はわからないけれど、過去は完全な存在として残り続ける。
過去を思えば思うほど、これからの未来に漠然とした不安を感じることもあるでしょう。
何を悲しむことがある?
これほど明るい陽の射し込む場所で
何を疑うことがある?
隣にいつも君がいるのに
出典: https://twitter.com/Kenshi_Yonezu_R/status/916643853498687488
これは幸せすぎて未来が怖い、という状況でしょう。
いつか『君』と別れるときがくるかもしれない、この幸せなときはいつまで続くのだろうか。
漠然とした不安は、もやがかかった蜃気楼のように、頭に浮かんでは消えます。
これはきっと考えていてもしょうがないことであり、今を楽しむことが1番なのでしょうが、こういった不安を感じたことがある人は多いでしょう。
誰しもが思ったことのある漠然とした不安、いつまで『君』といられるかわからないという心情を、米津玄師は上手く言葉にしたためているのです。
失くせないものとは一体なにか
「ミラージュソング」の歌詞の中に出てくる【失くしたもの】というのは、一体なにを指しているのでしょうか。
『君』と過ごした時間、『君』との思い出。
時間が過ぎていくほどに、触れなくなっていくものがたくさん増えていきます。
生きていけば今 生きていくほど
さわれないものが増える
何も手に入れちゃいないのに
失くしていくとしても
出典: https://twitter.com/y_lyrics/status/917740542334611457
ただ、失っていくものと引き換えに、手に入れられるものもあります。
それは『君』への愛情や、『君』との信頼関係。ときにはケンカをして感情を共有することもあるでしょう。
そういったかけがえのないものは、失ったものよりも、失っていく切なさよりも、もっと大きなものとなって自分の中に残り続けます。
生きていけば今
生きていくほど
愛おしい今も増える
何も手に入れちゃいないけど
失くせないものがあるんだ
ミラージュソング
出典: https://twitter.com/hachi_08_b/status/915233771334508544
何も手に入れていないと思うのは、それが触れないものだからであり、本当はたくさんの思い出や時間を自分の中に積み重ねています。
触ることのできない不安、確証のない未来と共に、『君』とこれからも愛おしいものを守ろうという締めくくりで「ミラージュソング」は終わります。
ミラージュには実は蜃気楼や幻覚の他に、もう1つ意味があります。
それは、実現することのできない儚い夢。
触ることはできないけれど、触ることができたら幸せだろう。だけど今ここに確かな愛おしいものがある。
「ミラージュソング」は儚い夢を歌っている曲でもあるのです。
何回も聴きたい米津玄師の名曲
「ミラージュソング」の歌詞は、人生経験やポジションによっても、感じ方が違う曲だと思います。
学生のときと社会人になってからでは、ぐっとくるポイントが変わる曲なのです。
何回も聴くことで、より深く歌詞の意味を知ることができるでしょう。
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