愛した人を残して旅立ってしまうと、正直その人を縛り続けたいと考えてもおかしくありません。

しかし「TSUKI」の歌詞では全く違い、他の人との新しい出会いで幸せであり続けて欲しいとあります。

これは映画の登場人物である”つかさ”の本音なのでしょう。

引き続き「TSUKI」の素敵な世界をお楽しみください。

たとえ私でなくても

今夜もこの月を見上げてるの?
あたたかくて静かな目で
出来れば大切に思えるような人と
あなたらしく笑っていて

そう maybe someday 悲しみさえ
はるか遠くへと

出典: TSUKI/作詞:TIGER 作曲:ZETTON.FAST LANE&LISA DESMOND

「月を見て私を想う気持ちはとても嬉しいけれど、他の人でも大好きな笑顔でいて欲しい。」

月を見上げて、先に旅立ってしまった人を想い続ける気持ちは嬉しいにきまっています。

しかし、その見上げる表情は寂しさで溢れていて、とても胸が苦しくなるのです。

愛する人には笑顔が似合う。

そんな気持ちから、他の人と出会い新しい幸せをつかむことを願います。

さまざまな障害を抱えた”つかさ”を守り、優しい愛で包まれていたから生まれた感情なのでしょう。

幸せの後押し

安室 奈美恵「TSUKI」の歌詞を解説…映画『抱きしめたい-真実の物語-』を反映した愛の形に感動の画像

見上げた空の上に
流れる風の中に
いつも幸せあふれるよう
変わらぬ愛をくれた
果てしない優しさを
今日もそっとそっと照らすから

出典: TSUKI/作詞:TIGER 作曲:ZETTON.FAST LANE&LISA DESMOND

「月の光で見守り続けて、私に届く風で幸せを感じていたい。」

”つかさ”は体を失ったので、愛する人の気持ちを感じられるのは、地上から吹き上げる風だけです。

その届く風で、いつまでも”雅己”の幸せを感じていたいのでしょう。

そして、彼の幸せを永遠に感じられるように、月の光で見守り続けるのです。

とても健気な”つかさ”の気持ちに、私は涙を抑えられません。

こんなにも純粋に人を愛せるのは、とても素敵なことではないでしょうか。

メッセージ

When you're down
Don't you cry
I'll be by your side
Waiting for your smile for a while
When you're down
Don't you cry
I'll be by your side
I'll be waiting for your smile for a while

出典: TSUKI/作詞:TIGER 作曲:ZETTON.FAST LANE&LISA DESMOND

「悲しい時でも泣かないでください。私はいつもそばにいて、笑顔でいられることを願い続けます。」

このような和訳のフレーズが繰り返されています。

とても印象深いフレーズです。

このフレーズが「TSUKI」で一番表現したい部分なのでしょう。

最愛の人に贈る、心のこもったメッセージ。

月の光とともに届くことを祈ります。

「TSUKI」に込められる気持ちが切なすぎる!

愛する人を残して旅立たなければならなかったのは、とても無念であったことでしょう。

しかし、「TSUKI」の歌詞では、そんな彼女を愛した彼への気遣いが溢れていて切ないです。

いよいよ「TSUKI」の歌詞終盤に入ります。

どうぞお楽しみください。

決意

どんなに離れてても
抱きしめられなくても
その胸に光ともしたい
見上げた空の上に
流れる風の中に
いつも幸せあふれるよう
変わらぬ愛をくれた
愛しいその心を
今日もずっとずっと守るから

出典: TSUKI/作詞:TIGER 作曲:ZETTON.FAST LANE&LISA DESMOND

このパートで綴られる歌詞は、これまでと似ているフレーズですが、願いではないと感じます。

彼女自身の決意が表れているのではないでしょうか。

この決意は安易にできるものではなく、苦しみながら出した結論なのでしょう。

私はとても心が締め付けられてしまいます。

届いて欲しい気持ち