Je renierais ma patrie,
Je renierais mes amis,
Si tu me le demandais.
On peut bien rire de moi,
Je ferais n’importe quoi
Si tu me le demandais.

出典: Hymne à l'amour/作詞:PIAF EDITH 作曲:MONNOT MARGUERITTE ANGELE

「あなたがそう望むのならわたしは故郷を捨て、そして友人との付き合いも断つわ」

「人から笑われようともあなたが望むのなら、わたしは何だってするわ」

自分の大切なものをすべて捨て去ってもそれに勝る愛情

それを受ける恋人の気持ちは、はたしてどういう気持ちなのでしょうか。

愛する女性からこんなセリフを言われたら、まさに至福でしょう。

男性のほうも同じくらい、愛の表現を女性にしたくなると思います。

サビ3回目

越路吹雪【愛の讃歌】歌い継がれる名曲の歌詞を徹底解説!原曲よりも甘い恋人同士の愛に心が燃える…!の画像

Si un jour la vie t’arrache à moi,
Si tu meurs que tu sois loin de moi,
Peu m'importe si tu m’aimes
Car moi je mourrai aussi.

出典: Hymne à l'amour/作詞:PIAF EDITH 作曲:MONNOT MARGUERITTE ANGELE

「もし運命が二人を引き裂いて、あなたが死んだとしても構わない」

「あなたが愛してくれるのなら」

「そしてその時はわたしも一緒に逝くわ」

主人公は一世一代の恋をしているといえるでしょう。

彼女は、自分の所有しているものを投げ打つばかりか、恋人と結ばれるなら自分の命さえも差し出すのです。 

最後のサビ

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Nous aurons pour nous l’éternité,
Dans le bleu de toute l’immensité.
Dans le ciel, plus de problèmes.
Mon amour crois-tu qu’on s’aime ?
Dieu réunit ceux qui s’aiment.

出典: Hymne à l'amour/作詞:PIAF EDITH 作曲:MONNOT MARGUERITTE ANGELE

「二人は二人のために進みましょう」

「行き着く先は果てもない青空」

「そこで二人は永遠に結ばれるのよ」

「神様、どうかわたしの願いを叶えてください」

最後のサビでは、二人が亡くなり天国へと旅立ったときの情景が描かれます。

死してなお結ばれようとする二人

そして、それを願う主人公。

そこには崇高なものさえ感じますね。

越路吹雪さんバージョン『愛の讃歌』歌詞解説

越路吹雪【愛の讃歌】歌い継がれる名曲の歌詞を徹底解説!原曲よりも甘い恋人同士の愛に心が燃える…!の画像

あなたの燃える手で あたしを抱きしめて
ただ二人だけで 生きていたいの
ただ命の限り あたしは愛したい
命の限りに あなたを愛するの

出典: 愛の讃歌/作詞:PIAF EDITH、岩谷時子 作曲:MONNOT MARGUERITTE ANGELE

オリジナルバージョンの表現はやや隔たった印象を受けますが、こちらはシンプルな表現ですね。

主人公が命をかけて相手を愛するというところは、どちらも同じですが。

オリジナルバージョンの主人公は、死してもなお恋人と結ばれたいと願っています。

越路さんバージョンは「命の限り」にそう願っています。

ここに2つのバージョンの大きな違いがありますね。

「天国」に対する観念がフランス人と日本人では違います。

宗教も違いますね。

そういった意味において「死してもなお愛する」というのは、日本人にとっては若干理解しづらいところ

したがってここは、作詞家の岩谷時子さんが日本人向けに慮って翻案したのでしょう。

頬と頬よせ 燃えるくちづけ
交わすよろこび
あなたと二人で暮せるものなら
なんにもいらない
なんにもいらない
あなたと二人 生きて行くのよ
あたしの願いはただそれだけよ
あなたと二人

出典: 愛の讃歌/作詞:PIAF EDITH、岩谷時子 作曲:MONNOT MARGUERITTE ANGELE

さて、3行目の歌詞をご覧ください。

主人公と恋人はまだ同棲していないのでしょう。

もしかしたら遠距離恋愛かもしれません。

主人公の願いはただ一つ。

恋人と一緒に暮らすことです。

もちろん幸せな時期ばかりではないでしょう。

それでもお互い助け合えば生きていける

希望に満ちた主人公の想いが感動的です。

そして、主人公の強さも感じますね。

かたく抱きあい 燃える指に髪を
からませながら いとしみながら
くちづけを交わすの 愛こそ燃える火よ
あたしを燃やす火 心とかす恋よ

出典: 愛の讃歌/作詞:PIAF EDITH、岩谷時子 作曲:MONNOT MARGUERITTE ANGELE

『愛の讃歌』のモチーフは「」。

情熱の赤です。

赤色を使った文章が象徴的に使われています。

また、シンプルながらも官能的歌詞

1行目から最後の行までをご覧ください。

ここでは男女が愛し合う瞬間を描いていると推測できます。

限られた字数でここまでの表現を描いた、作詞家の岩谷時子さんには脱帽ですね。

岩谷さんは越路吹雪さんのマネージャーを務めた後、作詞家になりました。

2013年、97歳で亡くなった岩谷さん。

恋のバカンス』や『君といつまでも』など、『愛の讃歌』以外の作品でも有名です。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

今回は越路吹雪さんの『愛の讃歌』を解説しました。

オリジナルバージョンは、フランスの歌手エディット・ピアフが歌ったもの。

その歌詞は、死してもなお相手を愛したい、というロマンあふれる歌詞です。

一方、越路さんバージョンは、命の限り相手を愛したい、という歌詞。

越路さんバージョンのほうが、より日本人が理解するのに適していますね。

最後にOTOKAKE内からフランスにちなんだ楽曲解説記事を紹介します。

下にリンクを貼っておきますのでぜひご覧ください。