アルバム『AwakeEVE』の隠れた名曲
『AwakeEVE』とは、UVERworldの通算4枚目のオリジナルアルバム。
大ヒットした『儚くも永久のカナシ』を始めとしたシングル曲4曲や、注目のリード曲『99/100騙しの哲』を収録した聴きごたえ抜群のアルバムです。
激しさの中に秘められた美しさ、暗さ、そして情熱を感じることのできる歌詞に注目し、解説していきましょう。
そもそも「コロナ」って何?
今回この記事でご紹介させていただきます曲は「UVERworld」の「コロナ」という曲です。
歌詞の解説を始める前に、曲名である「コロナ」というものについてご説明いたしましょう。
コロナについての知識をもった状態だと、より深く本曲を味わうことができること間違いなしです!
太陽のまわりのとても熱い層
コロナとは、太陽の周囲に存在する極めて熱いガス層のこと。
普段ははっきりと見ることができない部分なのですが、皆既日食のときに見ることができます。
新月が重なった太陽の周囲の「もや」のようなもので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
太陽の表面温度が6千℃程度なのに対して、コロナはなんと約100万℃!
どうしてここまで熱いのかという理由については、2019年現在も解明されておりません。
太陽系より外の遥か彼方の星の研究も始まっている中、比較的近い太陽のメカニズムも分かっていないのです。
「宇宙」というジャンルについてはあまりにも謎だらけで、夢と神秘に満ち溢れていますね。
「コロナ」の歌詞を徹底解説!~1番~
それでは早速「コロナ」についての歌詞を解説してまいります!
あるものがコロナに例えられていますので、その意味を考えながら読み進めてみてくださいね。
究極のアイテム
60兆の 僕を担う全ての視覚的細胞を 燃やして欲しいんだ
灰になるほど 焼き尽くしてくれよ 僕に潜むコロナ
出典: コロナ/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
人間1人を形作る細胞の数は約60兆個だと言われることがあります。
それだけの天文学的な数のものを燃やし尽くす存在が自身の内側にあるとしたら…一度使ってみたいと思いませんか?
これほどまでに刺激的で魅力的なアイテムは、「究極」と言い表しても過言ではありません。
一行目で「視覚的」と敢えて表現するということは、目に見えない「何か」に昇華しようという願望の表れなのかも。
究極のアイテムを使って灰…いや、High(ハイ)になり最高に光り輝く、無我の境地に達した自分自身の姿。
スポーツ界などで近頃流行っている言葉で表すと「ゾーン」といったところでしょうか。
この「究極」の正体が、これからの歌詞で徐々に明らかになります。
「分からない」という大切さ
道づれ探し space walk
夢中になれた玩具 そこまであと一歩
あからさまに destiny cloudy
価値観なんてそうさ ヒナ鳥の親の法則
出典: コロナ/作詞:TAKUYA∞ 作曲:TAKUYA∞
宇宙空間は地球上とは異なり、無重力の世界です。
上下左右が存在しない空間の中、ただただ突き進んでいく…。
面白いと感じる物事に果てしなく没頭している時間というのは、至極のひと時と言えるでしょう。
そんな物事をもうすぐ手に入れられるかも!その物事のゴールがようやく見えてきた!
そう思ってしまった途端に先程までのドキドキ感は何処へやら、雲行きが怪しくなります。
そもそも「ゴール」とは一体何なのでしょうか?
人は皆ある意味、さまざまな形でスタートからゴールへと進むという単一行動を繰り返している…。
このルーティンは「固定概念」と言えるのではないでしょうか。
「スタート」や「ゴール」は絶対に必要なものであると勝手に決めつけているとも言えます。
さて、ここでこの歌詞の最後に出てくる法則についてご説明いたしましょう。
鳥のヒナはふ化して最初に見た動物を(たとえそれが人間だったとしても)親と認知します。
「親は最初から、そしてこれからもずっと親なんだ!」
このような刷り込みが脳内になされるのです。
私達は歩みを始めた瞬間から、何かしらの「ゴール」を探してしまいがちです。
「ゴール」がなくても、歩き続けることに意義があるのではないだろうか…。
このように、本曲の主人公は「模索」という行為に大きな価値を見出しているように思えます。