小柳ルミ子にとっても“お久しぶり”
小柳ルミ子37枚目のシングル「お久しぶりね」は、小柳ルミ子にとっても久しぶりのヒット曲でした。
前回のヒットから約7年間鳴かず飛ばずでしたので、お久しぶりという言葉はまさに的を射たタイトルでもあったのです。
「お久しぶりね」がヒットした80年代前半は、ちょうどカラオケブームと重なった時代でした。
音源も8トラックテープからレーザーディスク(懐かしい!)へと進化し、歌詞も歌本からモニター画面へと変化してゆく過渡期です。
これらの音響機器を備えた店はカラオケパブと呼ばれる大型店が多く、だれもがカラオケを歌いに通った時代でした。
小柳ルミ子の「お久しぶりね」は歌いやすい曲調が相まって、多くの人に親しまれたカラオケのヒット曲でもあったんです。
カラオケパブとはどんなお店?
今では信じられないでしょうが、大きなお店の真ん中にカラオケを歌う小さなステージがあって、自分の歌う順番を待ちながらお酒を飲むお店です。
当然、自分の順番が来るまでかなりまたされます。
それでもそれが当たり前だったので、みんなまだかまだかと自分の番を待ちながらお酒を飲んでいましたね~。
リアルタイムで見た「お久しぶりね」のヒット!
筆者は当時ナイトクラブのバンドマンでした。
カラオケ店も出入りしていましたので、「お久しぶりね」のヒットはリアルタイムで見てきた記憶があります。
最初にこの歌の評判を聞いたのは1983年の年末で、某テレビ歌番組を見たお客さんからでした。
「久しぶりに小柳ルミ子見たよ!新曲歌ってたけど、今までと違った感じの良い曲だったね!」。
この年はアルフィーの「メリーアン」や中森明菜「セカンドラブ」などがカラオケのトップを占めた年でしたので、珍しい話題でした。
そうこうしているうちに、「お久しぶりね」は売れ始め、テレビでもしょっちゅう見かけるようになり、カラオケにもなりました。
すると、歌いやすさも手伝って、一気に人気カラオケ曲となったのです!
夜の繁華街で「お久しぶりね」のカラオケがかからない日は無い!と言われるくらいに人気がありましたね!
作者は杉本真人
「お久しぶりね」は、今までの小柳ルミ子の曲を作ってきた人たちとはちょっとジャンルの違う人が作っています。
杉本真人ってどんな人?
杉本真人といえば70年代半ばくらいから活動していたシンガーソングライターです。
筆者の記憶では、初期のかぐや姫みたいな曲を歌っていたのを覚えていますね。
曲名は「M氏への便り」という曲で、当時の流行のフォーク調歌詞の「…です。…ます。」が印象に残っています。
正直あまり売れていない人なので、特に注目していませんでした。
すみません!
それが、急に「お久しぶりね」の作者として世に出てきたとたん、あちこちでもてはやされるようになったんです!
筆者の記憶もここから始まっています。
特に因幡晃の「忍冬」の作曲家として深く印象に残っています。
小柳ルミ子と杉本真人は大の仲良し!
ちなみに、杉本真人と小柳ルミ子は非常に仲良しで、お互いのブログでも仲良しぶりを発揮しています。
杉本真人は小柳ルミ子を「お前」と呼び、小柳ルミ子は杉本真人を「真人」と呼び捨てにする仲だそうです。
二人は深い信頼関係があるんだな~と感じさせられます。
実は、この二人がここまで仲良しになったのには深~い訳があるのです。
それは、二人の出会いが、お互いにスランプからの脱出につながっているからなのです。
小柳ルミ子から見ると、「星の砂」以来すっかりヒットから遠ざかっていた時に出会って、大ヒットを飛ばした!
杉本真人から見ると、今までさっぱり売れなかったのが、小柳ルミ子に出会ってからはヒットメーカーの道を歩むようになった!
そんな二人は、お互いを幸運を呼ぶ出会いとして感謝しているようです。
歌詞の意味は?
杉本真人の歌詞は、まるでドラマのワンシーンのように登場人物の気持ちが映されている歌詞です。
女性の側から書かれた歌詞で、突然の再会に戸惑う気持ちがよく表されています。
それでは順を追ってじっくりと見てみましょう!