1st E.P.「SickSickSickSick」の内容とは

収録楽曲をチェック

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2018年の6月、きのこ帝国のフロントマン・佐藤千亜妃のソロデビューが決まりました。

ファンは発売を心待ちにしていたことでしょう。まずはその発売情報を紹介します。

1st E.P.「SickSickSickSick」
1. SickSickSickSick
2. Summer gate
3. Signal
4. Bedtime eyes
5. Prologue
¥1,600(+tax)

出典: http://kinokoteikoku.com/chiaki-sato/

タイトルは「SickSickSickSick」。「sick」は日本語で「病」です。

きのこ帝国のときにも漂っている暗いムードが前面に出たE.P.タイトル。

ファンであれば、そこまで驚かないでしょう。

 

しかし「Sick」というアルバムタイトルにネガティブなイメージは込めていないそうです。

佐藤はタイトルについて「最初はチックチックチックチックと考えていた」と発言しています。

「でも恋煩い的な楽曲だったので『Sick』にした」とのことです。

 

また「Sick」は「やばい」というスラングともかかっているそう。

タイトル通り”やばい”作品に仕上がっています。

共同プロデューサーには砂原良徳を起用

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今作を聴いて、まず驚いたのはそのバランス感覚。

きのこ帝国楽曲雰囲気を残しつつ、確実に新しいイメージをプラスしています。

 

バンドに存在した「陰鬱なムード」や、「空間系のエフェクトを用いたシューゲイズ性」は背景にある。

しかし、表面としてエレクトロポップを取りいれた電子音楽的なアレンジを加えているのです。

「きのこ帝国とは一線を画す」といわれていますが、完全に色が消えたわけではありません。

 

「エレクトロ」を取り入れるうえで大きな役割を果たしたのが、プロデュースを手掛けた砂原良徳でしょう。

砂原良徳といえば電気グルーヴの元メンバー「METAFIVE」の一員。

テクノポップやエレクトロニクス系の楽曲プロデューサーとして活躍しています。

彼がプロデュースしたことで佐藤の新しい一面が見えたことは言うまでもありません。

きのこ帝国のファンとしても、今回の音源は面白く聴けるでしょう。

「Summer Gate」で見せた佐藤の新たな一面

夏の恋愛を描いた1曲

さて今回はそのE.P.から「Summer Gate」をピックアップしてご紹介します。

事前にYouTubeにアップされたティーザーでは最初に流れる曲で、MVも作られています。

実質、E.P.のリード曲と言ってもいいでしょう。

 

曲調自体はアルバムを通しての印象とほぼ同じ。

終始エレクトロなアレンジが印象的に響く、佐藤の新たな一面が見られます。

しかしところどころで空間系のギターが残り香のように鳴るところにも注目。

きのこ帝国の楽曲に近いシューゲイザーっぽさを感じます。

 

リズムは終始にわたってとてもメロウでウェービーな印象。夏のけだるさを感じます。

一方、デジタライズされた音にはある種の涼しさがある。

ギャップめいた印象がふわふわしたリラックス感覚をもたらします。

失恋? 片想い? 夏の恋愛を描いた甘い歌詞

はしゃぎだした街とは……?

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はしゃぎだした街を抜け出して
Skipして行くよ きみのもとへ

剥がれかけた赤いペディキュア
笑わないで、抱きしめて

出典: Summer Gate/作詞:Chiaki Sato 作曲:Chiaki Sato

1番のサビの歌詞だけ紹介しましょう。恋愛ソングになっていることが分かります。

ここで歌われている「はしゃぎだした街」の姿はのちほどMV解説のときにお伝えしましょう。

Skipという言葉がとても軽やかでいいですね。

 

全編を通して見ると、語り手と「きみ」は恋人ではないことが分かります。

ところどころ失恋をにおわせる表現がちらつきますが、ただ片想いというだけなのかもしれません。

いずれにしても、かなり浮遊感があってつかみづらい世界観です。

 

このE.P.の1曲目「SickSickSickSick」の詞を説明する際、佐藤が言葉に詰まるシーンがありました。

「奔放な女の子がいて、男の子が片想いしているのか、付き合っているのか分からないけど……」。

このコメントから察するに詞を書く際、佐藤もしっかりと設定を決めていないのでしょう。

「設定を凝りすぎると言葉が降りてこなくなってしまう」と語るアーティストは一定数います。

おそらく佐藤もその1人なのでしょうか。ともかく、かなり軽やかなラブソングになっています。

佐藤の魅力的な表情が満載のMV

新進気鋭の映像監督・山田智和が撮影