Mr.Children【旅人】
B面に収録された楽曲
1992年にメジャーデビューを果たした、日本を代表するバンドMr.Children。
彼らはこれまでに19枚ものアルバムをリリースし、何度もミリオンセラーとなっています。
そんな数ある楽曲の中から、今回は隠れた名曲【旅人】をご紹介しましょう。
この作品は、1996年【マシンガンをぶっ放せ -Mr.Children Bootleg-】のB面に収録。
その後、カップリングばかりを集めたアルバム「B-SIDE」にも収録されました。
ファンに選ばれる名曲
当初は目立たなかった楽曲【旅人】。
しかし、実はファンの間でこの作品は大人気なのです。
2014年に行われた21周年記念のファンクラブ限定ツアー直前、あるアンケートが実施されました。
それは、Mr.Childrenのファンクラブ会員が最もライブで聴きたい曲という内容。
何と【旅人】は数々の名曲をおさえ、第3位という結果を出しています。
何だか疲れた!
便利なはずなのに
Mr.Childrenの【旅人】が発売されてから、時が何年も経ちました。
この楽曲が発売された前年の1995年にはPHSのサービスがスタート。
ちょうどその頃、携帯電話が普及していた時代なのです。
そんな背景もあってか、歌詞からは情報社会で疲れた人たちの気持ちが綴られています。
現代はその携帯電話ですら言葉が古く、スマホの時代。
ますます情報化が進み、インターネットで友達や恋人も探せる世の中です。
しかし、出会いも価値観も広がったのと同時に、何故か孤独を感じる人も増えています。
そんな矛盾を抱えた世界で、生きるのに疲れた!と思うこともあるのではないでしょうか。
【旅人】はそんな人にぜひ聴いてほしい一曲です。
それでは、歌詞を徹底的に解説していきましょう。
現代の様子
人間はどんな生き物?
安直だけど純粋さが胸を打つのです
分かってながら僕らは猥褻
情報過多で簡略化だぜ文明の利器は
僕らをどうして何処へ運んでく
出典: 旅人/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
まずは1番の歌詞からご紹介します。
1〜2行目では、人間の本来の姿が描かれているようです。
何よりも純粋で、素直で、道徳的で…。
「人間は理性的な生き物だ」なんていわれることもあります。
確かにと、それに納得する人もいるでしょう。
しかし、私たち人間は化けの皮を被っているだけで、本来は動物です。
様々な欲を持っていて、今にも本能的になりそうな心を抑えているだけでしょう。
それでも様々なことが開発され、文明は進んでいく一方。
3〜4行目からは「人間は一体どこに向かってるんだ?」という疑問を感じます。
孤独を抱える人たち
誰だってしんどい
集団で牛丼食べて孤独な想いを消してんだ
ほらもう少しの辛抱 あわてん坊よ焦るな
出典: 旅人/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿
街を歩いていたら、スマホを眺めている人ばかり。
情報化は進んでいても近くの人と話をすることは格段に減っています。
文明の進化とともに孤独が広がる社会。
「おひとりさま」でも気を使わないチェーン牛丼店が大人気です。
歌詞で、それは「孤独が嫌だからこそ」ではないかと語られています。
確かに家族や恋人と訪れるような場所に行くと、余計に孤独を感じてしまうもの。
みんな一人だからこそ、自分と同じような人は他にもいるんだと安心できるのかもしれません。
さすが、桜井さん。鋭い視点です。
そんな孤独を抱える人たちに、この曲は「大丈夫だ」と強く背中をさすってくれています。
人生はまだまだこれから!
焦って、自分の人生に絶望するな!
そんな風に伝えたいのかもしれません。