旅人のような僕ら

気にしないけど、気になっちゃう

忘れ去られた人情味を探して
彷徨っている僕らって 愛に舞う旅人 Oh...
うつむかないで天上を見よ
転ばぬ先の杖なんていらない
でも心配 そんで今日もまた神頼み

出典: 旅人/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

1行目と3行目で「味を」「見よ」と韻を踏んでいる秀逸なサビ。

ここではタイトルが【旅人】と付けられている理由が分かります。

どこか、自分に優しくしてくれる人情を持った仲間はいないのか…。

そんな風に孤独を抱えながらも、まだ出会っていない誰かを探している私たち。

それがまるで「旅人」のようだと思ったのでしょう。

寂しさもそのワードだけで何だか前向きな気分になれませんか?

4行目に出てくることわざは「失敗しないように予め準備をしておくこと」を意味します。

「守りは必要ないぜ!と強がってみたけど、やっぱり気になるよね」

そんなどっち付かずの姿勢が、何ともゆるくて心がほぐれます。

ファンは桜井さんの肩に力が入り過ぎていない歌詞にいつも助けられているのです。

自分だけの人生を自分らしく

口は挟まないで

愛情の表現なんてのは十人十色です
僕に構わず先に行ってくんさい

出典: 旅人/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

さて、2番の歌詞です。

ここでも桜井さんのゆるさが爆発しています。

現代では「人情味」なんて優しさは古いと思われることもあるでしょう。

もしかしたら時代に遅れてる〜なんて揶揄されることもあるかもしれません。

しかし、そんな人に対して「はいはい」というテキトーな態度をみせています。

人それぞれだからほっといてください。

ここでは私たちのなかなか伝えられない気持ちを代弁してくれているようです。

受け流す姿勢に何だかスッキリとした気分になれます。

厳しくも優しい応援

裸で抱き合って
隣人と将来などを不安な想いで見つめんだ
悩みは尽きないや 切ないがぐれるな

出典: 旅人/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

一人では生きていけない私たちは、誰かと気を紛らわそうとします。

家族や恋人、友達や近所の人…。本当に誰もいいのです。

どんなに働いても経済は豊かにならないし、情勢は荒れ模様だし。

あ〜あ、これから未来はどうなっちゃうんだろうな。

そんな悩みも誰かと話していると少しはマシです。

そこには共感してくれている歌詞ですが、最後の行で少しだけ厳しさをみせます。

分かるけど、生きることを放棄するなと嗜めるように応援するのです。

旅人のように彷徨う

ありがとう

恋に身を投げるロミオ
美談にならない時代だ
よって僕もまた旅人 Oh...
言い訳せずに実行せよ
正当化せず答えを探そう
ありがとう こんな僕に付き合ってくれて

出典: 旅人/作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

2番目のサビですが、ここでも「ロミオ」「せよ」と韻を踏んでいます。

さて、1〜2行目では命を断つことは美談にならないと私たちに教えてくれています。

現代では自ら死を選ぶ人も少なくありません。それに麻痺してしまっている私たち。

だから、たった一人の見知らぬ人がいなくなったところで「可哀相」とは思ってもらえないのです。

結局は旅人のように自分の道を模索していく必要があるのでしょう。

あの人のせいだから、こんな時代だから…。

そんな風に誰かの何かのせいにせず、生きていかなければいけない。

最後はファンに向けたメッセージだと思われます。

桜井さんも孤独を抱え、生きることが嫌になったこともあるのでしょう。

それでも旅を続けた結果、多くの人から支持されるようになったのです。

それを自分が頑張ったからではなく、応援した人に素直にありがとうと言える優しさ。

桜井さんの人間性が垣間見える歌詞だからこそ、この楽曲はファンから人気なのでしょう。

旅を続けること