Cocco「樹海の糸」の歌詞の意味は？NHKドラマ『運命に、似た恋』主題歌に迫る！

歌詞中で描かれる樹海の描写は、微かに「死」を連想させます。

それが本当に曲の主人公である「私」の死を描いているのかは定かではありませんが、何もかもを飲み込むような樹海の深さは、先の見えない闇の中にいる「私」の心情とも重なって映ります。

続くサビの歌詞では、「あなた」を拒絶するような言葉が並びます。「あなたさえ いなければ この夢を 守れるわ」という言い方は、二人がもう相容れない存在同士になってしまったことを表しています。

きっと二人は、相手を憎むまで傷つけあってしまったのでしょう。しかし、それはあくまでお互いの立場によるもので、本来は心から愛しあえるような関係だったのではないでしょうか。

愛情の上に憎しみを上書きしてしまったような複雑な感情が、絞り出すように描かれます。

最後には、1番のサビがくり返されます。

そこにはもう「あなた」とは相容れないという諦めや拒絶の感情と合わせて、後ろ髪を引かれるような未練も垣間見えます。

この曲で描かれる「別れ」には一切の飾り立ても美化もなく、お互いを「殺める」ような残酷で苦しいものとして映し出されます。

そうやって、「別れ」とは本来綺麗な思い出などではなく、身を切り心を締めつけるような辛さを伴うものなんだと見せつけてきます。

巧みな表現で描かれるそんなメッセージが、聴く人にリアルで生々しい切なさ・儚さを与えてくれます。

Coccoの表現力が存分に発揮されて、切ない別れを歌う「樹海の糸」。

聴いていると、心臓をわしづかみにされたかのような息苦しさが感じられます。

報われない恋を儚げに描く歌詞の物語は、主題歌となったドラマ「運命に、似た恋」のストーリーとも重なりますね。

17年が経って再びスポットライトを浴びたこの名曲を、是非歌詞も見ながらじっくりと聴いてみてください。