まずは原曲についての基礎知識
米国大リーグソング
原曲は誰もが一度は耳にしたことがある「Take Me Out to The Ball Game / 邦題 私を野球に連れてって」。
米国の歌手Edward Meekerにより1908年にレコーディングされました。
タイトルどおり、全米の野球ファンに古くから愛されている名曲です。
その覚えやすいサウンドから、現在でもしばしば大リーグの会場で大合唱が起こります。
歌詞の内容は、熱狂的な野球ファンの彼女が野球場に連れてってとおねだりするといったものです。
「一緒にいこう」はこの曲をベースに日本語を当て込み、アレンジを加えました。
歌詞は原曲とはまったく違っているのに、驚くほどぴったりはまっている日本語の歌詞。
親しみある旋律に乗せ、元気一杯GReeeeNが歌い上げています。
異ジャンルの絶妙なコラボレーション
なお、導入の"ララララララ"の部分はヨハン・セバスティアン・バッハの名曲をアレンジ。
(タイトルは「Jesus bleibet meine Freude/邦題 主よ人の望みの喜びよ」)
教会カンタータの1曲で合唱曲として広く親しまれています。
教会で唄われる曲なので、原曲は荘厳で静かな調べ。
なのでまさかバッハの曲がベースになっているとはすぐには思いつかないでしょう。
ジャンルの異なる曲なのに、絶妙なアレンジにより全く違和感を感じません。
宗教曲とポップスの見事な融合です。
GReeeeNが込めた思い
年始めに向けた思い
auのCM 「一緒にいこう」篇は2019年の元旦からオンエアされました。
三太郎、三姫、そして現代の学友に扮した3人組といったお馴染みのキャラクターが次々登場。
お正月、家でのんびりぼーっとテレビを見ていたら、なんとも楽しいCMが。
そしてその映像を盛り上げているのがGReeeeNの歌声。
彼らも三太郎シリーズCMを楽しみにしており、そのCMと一緒に2019年の幕開けできることを大変喜んでいました。
1年の計は元旦にあり。
今年はどんな年にしようか、期待に胸膨らませる年明けを迎えることでしょう。
この歌はそんな人達へのGReeeeNメンバーからのメッセージ。
大切な誰かとともに、この1年が良い年になるよう願いが込められた歌なんですね。
震災への思い
GReeeeNは歯科医とアーティストを両立しています。
テレビはもちろんのこと、雑誌やPV、MV、ジャケットにすら自分たちの姿、顔を一切公表していません。
そんな4人は歯科医を目指すための福島にある大学で出会いました。
そのため、2011年に発生した東日本大震災にはひとかたならぬ深い思いがあるようです。
実際、中心メンバーであるHIDEは歯科医師として被災地身元不明者の身元特定作業に参加しました。
また折に触れ、震災を風化させないための発言なども行っています。
あの時は日本中いや世界中の人が誰かと繋がっている、一緒にいることの有難さを感じたのではないでしょうか。
そういった経験を通じ、人が一緒にいることの大切さを歌にして伝えたいと思ったのでしょう。
日常のありふれた時間
一緒ならいつでも特別な日に
そう特別の日じゃない
一緒にやれば なんかあるさ
出典: 一緒にいこう/作詞:篠原誠 作曲:アルベルト・フォン・ティルツァー、ヨハン・セバスティアン・バッハ
旅行、コンサート、ライブ、はたまたお誕生日パーティーなど。
世の中はイベントごとで溢れています。
イベントにかこつけ、なにかがあるから集まるということはよくあります。
ただ毎日がそうであるとは限りません。
というより、大抵は特別なことがない日のほうが多いはず。
特別なイベントがなくてもそこにいるだけでなんか嬉しい。
新しい発見があるかもしれない。
いつもどおりに過ぎたとしても、それはそれでいいじゃないか。
なので理由がないからと会うこと自体をやめてしまうのでなく、一緒にいることを大切にしよう。
そんなストレートなメッセージが伝わりますね。