東京事変の配信限定シングル収録曲
ドラマ「私たちはどうかしている」主題歌
この楽曲は2020年8月から放送された日本テレビ系列のドラマ「私たちはどうかしている」の主題歌です。
原作は同名マンガで、ドラマでは老舗和菓子店を舞台に愛憎劇が繰り広げられます。
恋愛とミステリーを織り交ぜたストーリー展開に引き込まれる人が多い作品です。
『赤の同盟』の意味とは
この楽曲には『Alianza de sangre』というタイトルもつけられています。
これはスペイン語で直訳では「血盟」という意味を表す言葉です。
血盟は血を同盟の証として誓い合うことを示しており、血=赤という連想ができます。
さらにドラマ関連では和菓子店の跡取りでメインキャラクターの高月椿の「椿」が連想できるでしょう。
椿は主人公の花岡七桜の結婚相手であり、2人は複雑で歪な関係を築いていきます。
作中では2人を取り巻く人間関係も相まって複雑さを増しているのです。
しかしそれらは血の通った人間同士で築く関係であり、血の通うもの同士という共通点もあります。
人間という同じ生き物ということだけでも、同盟を組むように仲良くできるはずです。
一見理解できなくても、同じもの同士仲良くやっていこうという思いが込められていると感じられます。
何も生み出さない争いを静観
ただ平和を祈る
ええい何が起きても結構
どんな騒ぎへもてんで乗じません
きっと全人類手取り合えるように(アーメン)
出典: 赤の同盟/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
歌い出しは争いを避け、平和を祈るかのような歌詞から始まっています。
争いは一方の立場の人だけで起こせるものではなく、立場の違う者同士の間で起こるものです。
この曲の主人公はそのどちらにも属せず、関与しないということでしょう。
最後の「アーメン」はキリスト教の祈りの最後に唱える言葉です。
いつかどんな立場の人であっても手を取り合っていけるよう祈りを捧げているようにも読み取れます。
争いには一切関与しない
嗾けられて狼狽えたって
ヒントも答えもてんで生じません
先手打っといてもう逆ギレしないで(ガッデム)
出典: 赤の同盟/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
争いが起きれば、両者ともに心ない言葉を相手に浴びせる状態になってしまうでしょう。
その言葉に怒り、さらにひどい言葉を言い返す人もいます。
その一方でかけられた言葉に傷つき、どうすればいいのか分からずうろたえてしまう人もいるでしょう。
しかしどちらの行動をとったとしても、状況を改善するヒントは見つかりません。
もちろん悪口をいって状況が解決することもないでしょう。
主人公はそのことが分かっており、どちらの反応もせずに静観しているのではないかと読み取れます。
自分の言葉や行動に対して相手から何も反応が返ってこないのは、無視されているように感じてしまうでしょう。
主人公が何も反応しないことに、相手が苛立ち逆ギレしているのではないかと読み取れます。
最後の「ガッデム」は「くそったれ」という意味のスラングです。
主人公は自分が反応しないことに苛立つ相手に対して不快感を持っているように読み取れます。
全てを捨てたあとに残るもの
余計な感情は捨て去って
まあ一回打算を排してよ 警戒心
この緊張状態を解いてよ 嫉妬なども処分
出典: 赤の同盟/作詞:椎名林檎 作曲:伊澤一葉
争いは互いに感情的になっていてはいっこうに解決できません。
主人公は相手に不快感を持ちつつも、一旦お互いに落ち着くことを提案しているようです。
争いあっている相手であれば、相手の考えや行動を注意深く警戒しているでしょう。
何かの拍子にさらに大きな衝突が起きてしまうのではないかという緊張感も漂っているようです。
さらに自分の利害を考える打算的な思考や、相手への嫉妬心なども渦巻いています。
しかしそれらの感情を抱いたままでは理性的な判断はできません。
だからこそ主人公はそれらの感情全てを一切捨ててしまおうと提案しているようです。