虚しい気持ちを抱えた主人公は鏡の向こう側にいる自分へ呼びかけます。
タイトルにもなっている「VIOLATION」は和訳すると「侵害、浸食」といった意味。
主人公は新しい自分へと目覚めようとしているのではないでしょうか?
窮屈な状態にいる主人公がそこから脱出するためには、今までの自分のままではダメだと自覚しているのでしょう。
懸命に殻を破ろうとしていることが歌詞から伺えますね。
「自分の理解者は自分だけである」といったような一種の自己愛も感じます。
わたしは凍えている
忘れそう愛の手触り
火傷しそうなそんな感じ?
わたしは凍えている
なんとなく凍えているんだ
ひき攣った安らぎで
ふとらせる「 」よ
痛みを、暗やみを
粧したくなっちゃうよね
出典: VIOLATION*/作詞:ロイ-RoE- 作曲:ロイ-RoE-・Face 2 fAKE
主人公の心は愛さえも分からなくなっている冷え切った状態。
耐えきれなくなった主人公は、決して健全ではない方法で自分を癒そうとしているようです。
辛い、苦しい気持ちを化粧をするように覆い隠そうとしていますが、それでは根本的な解決にはなりません…
「」部分は「空白」と歌っています。
心が平穏になったと思おうとしていますが、実際はどんどん虚しい気持ちが募っていくばかり。
そんな状態を表した歌詞なのでしょう。
独り取り残されて
孤独を感じる
色とりどり飛び交うストーリー
嘘みたいな本当にいつも通り
独り取り残されてI feel lonely
回転、繰り返して
チクタク 青は何処へむかう
大抵、不安定 生き物さ
出典: VIOLATION*/作詞:ロイ-RoE- 作曲:ロイ-RoE-・Face 2 fAKE
「現実は小説より奇なり」という言葉がありますが、主人公に起こっていることにもそれが当てはまるようです。
想像ができないような突飛な出来事が起こるようですが、主人公はそれに対して「現実感がない」状態。
まるでTVや映画を観るように、他人事だと感じているのかもしれませんね。
そして、そう思っているのが自分だけであるということに「孤独感」を感じています。
そんな主人公をよそに時間はどんどん無情に過ぎていきます。
「青」は何を表しているのでしょうか。著者には「悲しみ、寂しさ」のように思えました。
時には酷く落ち込み、時には平常心に戻る。
人の心は時にとても流動的で、自分の思い通りにはならないものです。
心に傷を受けていれば尚更のことでしょう。
そういった様子を「生き物」だと例えたのだと思います。
甘ったるいものを求めている
VIOLATION
鏡越しの君がわたし、傍観して
VIOLATION
与えるより与えられたい
そう、欲張りさ
裸で愛が上手くなる
うしろめたい損なエナジー
わたしは求めている
甘ったるいの求めているんだ
VIOLATION...
出典: VIOLATION*/作詞:ロイ-RoE- 作曲:ロイ-RoE-・Face 2 fAKE
自問自答を繰り返す主人公。
彼女(彼)に必要なことは「愛されること」。
愛に飢えていることは自覚しつつも、素直になれない主人公。
そのせいで、欲しがっている愛を受け取ることができません。
これまで殺伐としていた反動か、うんざりするほど強い愛情が欲しいと訴えています。
それが自己中心的であることも自覚してはいますが、誰が主人公を責められるでしょうか。
なんとなく見せないけど
忘れそう愛の手触り
火傷しそうなそんな感じ?
わたしは凍えている
なんとなく凍えているんだ
裸で愛が上手くなる
うしろめたい損なエナジー
わたしは求めている
甘ったるいの求めているんだ
なんとなく見せないけど
出典: VIOLATION*/作詞:ロイ-RoE- 作曲:ロイ-RoE-・Face 2 fAKE
以前と同じ歌詞が登場しますが、一番最後のフレーズが追加されていることに気がつきましたか?
不器用で素直になれない主人公は、「愛を求める」自分の気持ちを隠しています。
どうして隠すのかはっきりしていませんが、弱みを見せることができない環境なのかもしれませんね。
想像に過ぎませんが、「愛を求める」姿勢を見せるとそれを利用されてしまうのかも…
主人公の心は頑なな状態というのが伝わる歌詞でしたが、変わる兆しも少し現れていました。
彼女(彼)を愛してくれる誰かが現れることを祈りたいですね。